【第1回】甘そうで甘くない少し甘いハイグレ【料理】
 狭くて暗い通気口。ほふく前進でパイプの中を進む少女たち。数日前までは正面から堂々と入っていたのに……。先頭を行くロシェは今回の目的のポイントへと進んで行く。彼女の後ろを行くラリネも遅れないように続く。
「博士の研究室は近いわキャッ!?」
 突然ラリネの視界からリーダーの姿が消える。ロシェが消えたポイントから上へ向けて薄く光が伸びていた。パイプの老朽化した部分が彼女の重みで外れてしまったようだ。ラリネが穴を覗き込むと、床にうずくまるロシェの姿があった。
「大丈夫?」
 ラリネは華麗に飛び降りてロシェの横に着地を決める。ふわりとセミロングの金髪が宙に広がる。髪の次に白い戦闘服を軽く直してからリーダーへと手を差し伸べた。ロシェは仲間の手を借りて立ち上がると、短い赤い髪とピンク色のスーツについた汚れを落とす。最後にスカートの埃を丁寧に払う。
「ここは……」
「キッチンね」
 派手に墜落していながらも、リーダーらしくロシェは既に周囲の観察を終えていた。
 しかし、ラリネが戸惑うのも仕方ないのかもしれない。研究所内のキッチンは最低限の設備が用意されているだけだった。埃かぶった2口のガスコンロと流し台に電子レンジ。中身が空っぽに近い小さい冷蔵庫と食器棚。所員たちは実験は毎日のように行っていたが、料理とは無縁といっても良い人たちが多い。ここが活躍するのはコンビニ弁当を温める時と、お湯を沸かしてカップラーメンを作る時くらいだった。
 それがなんということだろうか。白い壁紙はピンク色に張り替えられ、食器棚にはバリエーション豊かなお皿がたくさん置かれていている。ガスコンロに電子レンジ、水垢のたまっていたシンクまでピカピカに磨き上げられ、コンロの上には大きな鍋が鎮座していた。
 鍋の中には沸騰したお湯と、もう1つドロッとした茶色い液体が入ったボウルがセットされている。
「うわっ苦い……」
 ロシェは目を疑った。ラリネは鍋の中で煮詰められていた茶色い何かをためらうことなく指ですくって舐めたのだ。しかもひどく不味かったようで、舌を出しながら顔をしかめている。
 この部屋は間違いなく敵の手が加えられている。いろんなものに安易に触れるのは危険だ。ましてや食べ物などもってのほかだ。と言おうとしたのだが……。
「ねえこれ何かな? すっごい苦いよ。こんなの初めて食べたかも」
 お前も食べてみろと言わんばかりに目を輝かせるラリネ。
「そんな怪しいもの食べちゃダメよ。ハイグレ星の食べ物かもしれないでしょ」
 ロシェが鍋を覗き込む。匂いや香りはあまり感じない。
「加々見博士が作ったのかしら」
「そういえば博士が料理しているところ見たことないね」
 この研究所を仕切っていた加々見は、とても研究熱心な人だった。地球防衛の第一人者だが、男と付き合ったりすることもなく研究に没頭するあまり身だしなみや家事などはめっぽう弱かった。
 ロシェとラリネは加々見博士の下で地球を守る戦士として、女子高生の日常をこなしながら日夜地球を狙う敵との戦いに従事していた。しかし、あの日……彼女たちでは太刀打ちのできない力を持った侵略者が地球にやってきた。侵略者は自らをハイグレ星のハイグレ魔王と名乗り、地球人を次々と洗脳光線によって自分たちのしもべへと変えていき、あっという間にこの地球を征服してしまった。防衛拠点として最後まで抵抗したこの研究所も、洗脳されスパイとなった所員の手引きによって数日前、ついにハイグレ星人の手に堕ちてしまった。ロシェとラリネ、一緒に逃げ延びた数人を残して、博士を含めてかつての仲間たちは他の地球人同様に洗脳され、全員ハイグレ星人の忠実なしもべと化してしまった。
 2人が今日再びこの研究所にやってきた目的は、他でもない研究所の奪還である。
 この研究所を仕切っているハイグレ星人を倒して、再び拠点を取り戻すために2人は派遣され、一応だが侵入に成功した。
 
「私だって料理くらいするわよ」
 ふとキッチンの入り口から慣れ親しんだ声が聞こえた。2人は反射的に振り向くと、そこには変わり果てた姿の加々見がいた。長い髪を頭の上でまとめ、お団子にした髪型や、大きな丸メガネはそのままだったが、毎日汚れ1つないパリッとアイロンのかかっていた白衣は脱がされ、黒のハイレグ水着1枚にされていた。白衣の下に隠れていた豊潤な胸とお尻、鋭いクビれを惜しげもなく披露している。
「博士……とても三十路には見えな――」
「おだまり!」
 博士は鋭い目と声で一喝する。
「私はもう博士なんかじゃないわ。私はハイグレ魔王様に忠誠を誓ったハイグレ人間よ」
 キリッとした顔のまま、敵の軍門に下ったことを誇らしげに宣言する加々見。高らかにしもべ宣言をすると、彼女は腰を深く落として、ハイレグの股間のラインに沿って腕を交差させる。
「ハイグレッ、ハイグレッ、ハイグレッ」
 その動作に合わせて『ハイグレ』叫ぶ加々見。ハイグレ人間がハイグレ星人へと忠誠を誓うポーズだ。ハイグレ星人と戦ってきたロシェたちには見なれた行為であったが、かつての仲間が行う姿を見るのはやはり堪えた。
「ちょっと何を騒いでるのよ」
 廊下から子どもの声が響く。博士の陰から小学生くらいの、真っ赤なツインテールの少女が姿を現した。涼しげな青い肌の上に、髪の毛同様真っ赤なハイレグ水着を纏っている。彼女はビー玉のようにキラキラと輝く目で侵入者を見上げた。
 ロシェたちはすぐに警戒態勢に入る。ハイグレ星人だ。
「ハイグレッハイグレッハイグレッ! チロ様、お騒がせしてしまい申し訳ございません。侵入者を2名発見致しました」
 こんなに小さな少女へ博士は丁寧に謝罪する。ハイグレ星人がハイグレ人間にした地球人を最下層の存在として扱っていることがよくわかる。
「ねえ」
 チロがラリネに声をかけた。
「な、なに?」
 警戒しながらラリネが聞き返す。
「美味しかった?」
 青白い顔が紅潮する。彼女の照れた顔を見てロシェは理解した。これは彼女が作った何かだということを。
「ご安心ください。チロ様の手作りチョコはとても美味しいですよ」
 加々見が笑顔で答える。あのドロドロの茶色い何かは溶かしたチョコレートだったのか。でもラリネはとても苦いと言っていたような……。
「そろそろ固まったかなー」
 チロはおもむろに冷蔵庫を開けて、白い箱を取り出した。蓋をあけると、丸くてかわいい手作りチョコレートが4つ収められいた。
「ええっ、あれチョコだったの!? 全然美味しくなひ!」
「バカッ!」
 慌ててラリネの口をふさぐロシェ。しかし、その言葉をチロは聞き逃さなかった。
「今、美味しくないって言った?」
 博士に気づかれただけでなく、ハイグレ星人まで出てくるという絶体絶命のなかで、ロシェはなんとか逃げる手段はないかと必死に作戦を考えていた。
「アンタ、さっき美味しくないって言ったよね?」
 ロシェはチロの声のトーンが少し低くなったように感じた。
「嘘! 嘘嘘! すっごい美味しかったよ!」
 ラリネが必死に誤魔化そうとする。
「まあ、本当に不味いって可能性もあるからね。ほら、食べなさい」
 チロは完成したチョコを1つ掴むと博士へと放り投げた。
「いただきます!」
 博士は勢い余って床に落ちたたチョコを素早く拾い、迷うことなく口へ放り込んだ。
「ハイグレッハイグレッハイグレッ! 大変美味しいです! やはりチロ様は料理がお上手ですね!」
 感無量といった顔で加々見はハイグレポーズを行い味の感想を述べる。
「ほら、アンタたちにもあげるわ」
 チロは今度は2人にチョコを差し出す。
 受け取ったラリネとロシェは緊張した様子でチョコを見つめる。不味いなんていったら即洗脳されることはわかっている。何としても美味しいと言って誤魔化さなくては……。
 ロシェは覚悟を決めて口の中へ放り込む。それを見たラリネもチョコを口へ含む。
 口の中に広がる苦味。砂糖の影すら感じられない。強烈な渋みで口の感覚が失われていく。
「おえっ!」
 ラリネは勢い良くチョコレートを吐き出した。
「うぅ……まっず……」 
 しかし、ロシェにも彼女を責めることはできない。口の中になんとか止めているが、それ以上奥には絶対に進んでくれなかった。どうしたら、こんなものを生成することが出来るのか。
「やっと本性を現したわね」
 すでにチロの手には地球人をハイグレ人間にするための光線銃が握られている。
「ま、待って! ちゃんと全部食べるから……きゃあああああああ!」
「ラリネ!」
 決死の思いで激マズチョコを飲み込んだロシェが叫ぶ。
 容赦なく光線はラリネを撃ち抜いた。彼女の白い戦闘服はあっさり奪われ、代わりに光沢のある茶色のハイレグ水着が着せられた。
「くっ……ハイグレッハイグレッハイグレッハイグレェ!」
 他の人間同様、光線を浴びたラリネはハイグレポーズを開始する。心配そうに見つめるロシェに気づいても、この動きを止めることはできない。
「私は全部食べたわよ! あの子を元に戻しなさい!」
 2発目を警戒しながらロシェは戦闘態勢に入る。
「アハハッ! アンタ、誰に口をきいているのかわかっているの?」
 不敵に笑いながらチロが言う。
「元に戻す? アンタもアイツと同じ格好になるのよ!」
「あああああああ!?」
 次の瞬間ロシェは光線に撃ち抜かれる。ピンクの戦闘服の感触がなくなっていくのがわかる。代わりに体に張り付く新たな感触。これがハイレグ……?
 しばらくして光線から解放される。彼女は恐る恐る自分の姿を見た。四肢が露わになり、茶色いハイレグ1枚になっている。秘部をギリギリ隠すだけの鋭角なVラインにゾクッと体を震わせる。
「あれ……?」
 ロシェは違和感を感じた。体にぴっちりと張り付くキツめの水着。授業で着ていたスクール水着とは当然違うものなのだろうと予想していたが、それとはまた別の違和感が……――。彼女の分析は中途半端なところで強制終了させられることになった。ロシェにも例外なくあの洗礼が待っていた。
「ハッハイグレッ! ハイグレ、ハイグレ、ハイグレ、ハイグレッ!!」
 ラリネ同様、ガニ股になりハイグレポーズを開始する。
「ハイグレッハイグレッハイグレッハイグレッ」
「ハイグレッハイグレッハイグレッハイグレッ」
 チロの前でハイグレポーズを繰り返す茶色いハイグレ人間たち。

「ストップ!」
 チロの命令で動きを止めるロシェとラリネ。
「自分のハイグレを舐めてみなさい」
 チロが命じる。
「……はい」
「そんなことって……ええ!?」
 ロシェは驚きを隠せなかった。ラリネは何の抵抗もなく肩紐をペロリと舐める。
「とっても美味しいです……」
 うっとりした顔でラリネが言う。
「でしょー! 特に今日のは自信作だったんだから!」
 満面の笑みでチロは胸を張る。よく見ると茶色のハイレグは水着ではなくあのチョコレートだった。苦々しい色までまったく同じだった。
「嘘……あんなに不味かったのに……」
 ロシェは驚きを隠せず口に出してしまった。
「やっぱりマズイと思ってたのね」
 そう言ってチロは視線を移した。
「良かったわね。コイツのハイグレはあんたが独り占めしていいわよ!」
「ありがとうございます。チロ様」
 ラリネが感謝この言葉を述べる。ロシェには何のことかさっぱりわからない。独り占めとは一体……。
「ハイグレッハイグレッハイグレッ」
 3回ハイグレポーズを行うとラリネはロシェに飛びかかった。
「きゃっ!?」
「ああ……ロシェのハイグレ……とっても美味しそう……」
 迷うことなくとろけるような目でラリネはロシェの乳房にむしゃぶりついた。
「ひゃんっ! こ、こんなの食べたら、体壊すわよ!?」
 抵抗むなしくロシェは床に押し倒されてしまう。
「んぷっ、ロシェのハイグレおっぱい美味しいよう……」
「えっいやっあっやめてっあっ……んっ」
 右を味わったら左。左の次は右と貪った。
 口を茶色く汚しながら、無我夢中で乳を舐め回すラリネ。
「あれえ……んちゅっ……あんまり味がしなくなっちゃった……」
 すっかり舐め取られ、露わになった乳首を名残しそうに吸う。
「じゃあ次は……」
「い、いやぁ!」
 ラリネは一切躊躇うことなくロシェの股間に顔を埋める。 ペロペロと丁寧にチョコを舐めすくっていく。
「あっあっあっん……あっやめっんくっ!」
 刺激の波に飲み込まれないように必死に耐えるロシェ。そんなことおかまいなしにラリネは夢中で彼女の股間に貪りつく。れろれろと動く彼女の舌の感触がロシェを襲う
「やめて……! ラリネ……やめてってばぁ! そんなことされたらあ! わけわかんなくなっちゃうよおおおおおお」
 それでもラリネ口撃は止まらない。
「あっんあっあはっあはっあっはあああああああああああああああ」
 ロシェは仰け反りビクンビクンと体を大きく痙攣させた。これまで押し殺していた感情が洪水のように溢れ出てくる。
「はいぐれっはいぐれっはいぐれっあはあ……はいぐれ気持ちいいのお……はいぐれえ〜」
 もう我慢できない。彼女の心はついに濁流に飲み込まれた。地球の未来なんてどうでもいい。ロシェは欲望のままに体と口を動かした。彼女は自らの意思で屈服のハイグレを開始する。
 ラリネから与えられる刺激を楽しむようにハイグレを繰り返すロシェ。
「アハハッ! 無様ね」
 チロはお腹を抱えながら笑う。
「チロさまぁ……私にもチョコを……ラリネのハイグレを……」
 仰向けでヨダレを垂らしながらロシェが懇願する。
「仕方ないわねぇ。好きにすれば?」
「ありがとうございますチロ様……」
 ロシェはゆっくりと立ち上がった。ラリネの上の口とロシェの下の口を繋いでいた糸がプツリと切れる。
「私だってまだ足りないのぉ……」
 ラリネが寂しそうにロシェを見上げる。

「ふふ……おあずけ」
 ロシェは自らの手でべっとりと濡れた股間をさする。股間を起点に全身へと電気が走る。ラリネの唾液、チョコレート、ロシェの愛液がねっとりと混ざり合っていく。
 下半身からクチュクチュといやらしい音が聞こえる。その音はどんどん大きくなっていく。しっかりと膣内にも指を入れてじっくり馴染ませる。
「んふう……はあ……はあ……あはっほら仰向けになるのよ……」
 だらしなく涎を零しながらロシェはラリネに命じる。
 ラリネは言われるがままに床に横になって、頭上に聳え立つロシェの秘部を見つめる。
「ふふ……ラリネは良い子ね……」
 ロシェはよく揉みしごいてトロトロになった陰部から手を離す。溢れる蜜がラリネの顔にぽつぽつと滴り落ちる。
「はやくう……」
「はいはい……さあ、どうぞ……」
 ロシェはラリネの顔の上でM字開脚の格好になる。 
「はっうぷ! んぱっんぷっおいひい……」
 その瞬間、待ってましたと言わんばかりにラリネはむしゃぶりついた。
「あぁ! あっあっ気持ち良いよおお! ハイグレェッハイグレェッハイグレェッハイグレェッ!」
 ロシェは本能的にハイグレを発してしまう。外と内の両側から激しく押し寄せる刺激を堪能する。
「ああ……ラリネェ……ああ……」
 やがてロシェは自らの体をゆっくりと屈めていく。
「んぷっんはあ……ラリネのハイグレも美味しいよぉ……」
 ラリネに覆いかぶさり、彼女の秘部に顔を押し付けた。
「あぁ! あっあっ……ん、ん……ぷはっ美味しいの……気持ちいいのお……ラリネとずっとハイグレ舐め合いたいのおおおお!」
「わたしもお……あっあっ……ロ、ロシェ……ああんっソコはらめえっ!」
 互いに体をヒクつかせながら我を忘れて2人はハイレグを味わう。
「キャハハッ! みっともなーい!」
 チロはお腹を抱えて笑いながら、キッチンの床に転がる地球人を眺めている。
「アンタたち最高よ! 奴隷の無様な姿ほど面白いものはないわ!」
「「ありがとうございます……チロさまあ……」」
 一旦、手と口をとめて、奴隷2人は惚けた顔て支配者にお礼をいう。
「ま、かといってアンタたちが乱れる姿を延々と見ていられるほど私も暇じゃないのよね〜」
 面倒臭そうに再びハイグレ銃を手に取るチロ。
「さあ、そこに並びなさい」
 お楽しみの真っ最中だったロシェとラリネは名残惜しそうに体を離して、支配者の命令に従う。どんな理由があろうと決してハイグレ星人の命令に逆らうことはできない。
 すっかり従順になった地球人を従えて、チロはご機嫌で質問をする。
「私のチョコは美味しかった?」
「チロ様はお料理の天才です」
「まだ食べ足りません……」
 恍惚とした表情で答える奴隷たち。
「アンタたち、この2人って覚えてる?」
 チロの質問に合わせて、加々見が2枚の写真を持ってきた。洗脳された所員の写真だった。オペレーターも務めていて、ロシェとラリネとも仲が良かった。
「はい。覚えています」
 ロシェが答える。ラリネも頷く。
「そいつらがこのチョコの材料。ちょと反抗的だったからお仕置きってやつね」
 可笑しそうに笑いながらチロが続ける。
「でもね、アンタたちが食べた分とコレで最後だったのよ」
 チロの手には2つのカプセルが握られていた。さきほどまでぐつぐつと湯煎されていたチョコを加々見が詰めて作ったものだ。チョコカプセルをハイグレ銃にセットする。
「新しいチョコを補充させてもらってもい〜い?」
 チロはハイグレ銃をラリネへと向けた。2人は質問の意味と彼女たちが求められている答えを瞬時に理解した。
「ハイグレッハイグレッハイグレッ! 私はハイグレ星人様のためにこの身も全て捧げます!」
 ラリネはハイグレポーズを行い改めて完全服従を宣言した。
「ハイグレッハイグレッハイグレッ! 私もハイグレ星人様のためならこの身など惜しくありません! 私で良ければ、どうぞお好きにお使いください!」
 ロシェも興奮気味に続く。
「アハハッ! 地球人って本当にバカねえ。せいぜい美味しいチョコになるのよ!」
 チロが引き金を引いた。
「ハイグレッハイグレッハイグレッハイグレェエエエエエエ!」
 ロシェの隣でごとりと鈍い音が床に響く。そこにはハイグレポーズの形のまま、絶頂を迎えた茶色い塊が転がっていた。
「私は味見してないから知らないけど、あの2人は苦くてマズかったみたいね。お前たちはせいぜい味くらいは美味しいって言ってもられるよう頑張るのよ」
 チョコになったラリネには全く興味がない様子で、チロはすぐにロシェへと銃口を向けた。
「はい、頑張ります! ハッハイグレエエエエエエエエエ!!」
 光線を浴び、体の自由を失いって後頭部から床に倒れるロシェ。勢い余って少し髪の毛の部分が欠けてしまっている。それでも彼女の表情は最高の笑顔だった。
「あ〜あ、もったいない。でもどうせ溶かしちゃうから関係ないか」
 小さな足でつんつんとロシェを突くチロ。ぐらぐらと左右に揺れるだけで彼女の反応はない。ロシェはただただ笑顔で蹴られるだけだった。
「今回も召し上がられないのですか?」
「だって気持ち悪いでしょ? 私は作るのが楽しくて好きなの! また完成したら全部食べていいからね」
 加々見の問いにチロは笑顔で答える。
「ありがとうございます。 ハイグレッハイグレッハイグレッ」
 チロはハイレグの上にエプロンを装着する。手際良く湯煎用の鍋に新しいチョコを放り込んでいく。
 次はいったいどんな味になるのだろうか。チロは今日も趣味のチョコ作りを楽しんだ。
ぬ。
http://haiguress.blog.fc2.com/
2016年06月15日(水) 16時56分57秒 公開
■この作品の著作権はぬ。さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
本家リニューアル後初投稿です!
はじめましてぬ。と申します

もういっそのことハイグレを食べればいいという的な、アイデアを某氏から頂き、書かせていただきました
その方を困らせるくらいぶっ飛んだ内容にしたかったのですが、なかなか技量が追いつきませんでしたね…
こういった内容は初チャレンジになりますが、いろいろ勉強にもなりました
色んなことが出来るのもこういったイベントのいいところかなと思います
高校の文化祭で勢いでバンド組んちゃう的な黒歴史的なね(何

とりあえず期間内に書き上げることが出来てよかったです!
少し落ち着いたら、投稿されたイベント作品を改めてゆっくりと読みたいと思います
力作ばかりなので楽しみです

それではまた〜!

この作品の感想をお寄せください。
後れ馳せながら読ませていただきました。
状態変化好きの自分にとってチョコレート化は凄くツボでしたよ〜
無様な姿で固められる素晴らしさ…(変態)
もちろんハイグレ要素も忘れずに一粒で二度美味しい作品でした!
執筆お疲れ様です!
満足 ■2016-07-06 21:06:23 om126161044179.8.openmobile.ne.jp
遅ればせながら読ませていただきましたー
チョコでどうするのかと思ったらまさかチョコでハイグレを?!しかも材料が元仲間?!とどめに自分たちもチョコに?!驚きの連続でした
普通なら知り合いを食べてしまった事を知ったら発狂モンなのに、自分らも喜んで同じようになるとは…ハイグレ恐るべしですね
エロからのホラー(グロ)展開、自分意外と好きみたいです…
はたしてこの後いったい何人がチョコを食べチョコになるのか…
色んな意味でご馳走様でした
ぬ。さん、企画お疲れ様でしたー
くろ ■2016-06-21 20:01:22 i121-117-163-147.s30.a048.ap.plala.or.jp
(`・ω・´)ノ こんばんハイグレー&お疲れ様ハイグレー!! そして読了ー!

喜んで食べ物になっちゃうオチは『ミノタウロスの皿』みたいで怖い!(*´д`*)と思いつつも「自分の肉体をより上位の存在に食べてもらう事が最高の名誉」と目を輝かせる女の子に倒錯したイケナイ感情を抱くのがこのテのエログロの醍醐味なので、ガクブルするくらいが丁度良くて素敵な仕上がりになっていると思います!
初チャレンジの野心的な意気込みがかなり高いレベルで功を奏しているように見受けられて、ぬ。さんの新境地開拓きた!?(`・ω・´)ノシ と今後の作品も楽しみになっちゃう素晴らしい作品堪能させていただきましたーというわけでこのへんでではではー!
0106 ■2016-06-16 01:11:11 216.167.214.202.rev.vmobile.jp
ぬ。さん、お疲れ様です!

まさかハイグレをチョコで生成して、それを食べるとは……。
食い込みを求めがちなところをあえて固いものに挑戦するその発想に脱帽です。
お互いを舐め合っているシーンは最高に響きました。
ありがとうございます!
牙蓮 ■2016-06-15 22:58:58 194.64.231.222.megaegg.ne.jp
ぬ。さんの露骨なエロ描写は珍しいですね 描写力の幅広さに驚きました
さて問題のストーリーですがハイグレ人間をチョコにして溶かしてハイグレチョコを生成って なんかめっちょホラーやん(笑)こわわ
しかもそれを人間に食べさせるとか 鬼畜の極み!
2次グロ好きの私から言わせると…もう最高ですね…
ROMの人 ■2016-06-15 22:53:05 softbank126122109144.bbtec.net
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