不死鳥の誘惑〜岸波・長波・島風を添えて〜
―――冷静に分析するとしよう。
今、この鎮守府において“味方”と呼べる存在は誰だ?
夕雲型駆逐艦十五番艦の岸波は、苦虫を嚙み潰したような顔で思考を続ける。

それもそのはずだ、だって誰が想像できる?
深海棲艦と戦うために私達、―――艦娘は生まれてはずだ。
そして、その使命は簡単に言えば“人類を守る事――――
まさか、人類を守るモノが人類を脅かす脅威になっているなんて――――

『・・・駆逐艦達はもう8割位、洗脳されているみたいですね・・』
『もしかしたら、軽巡や空母の先輩達もやばいかもな・・杞憂だといいけど』
『・・・・・天津風、みんな・・・』
小声で、提督の部屋に向かうのは、浜風・長波・島風
岸波と共にと“ある脅威”から辛うじて生き残った仲間たちだ。

『長姉、この駆逐艦寮の状況を提督に伝えたら・・・信じると思う?』
『あ・・・・・無理だろうなぁ・・てか、信じられるか?フツー
艦娘達がハイレグ姿で、コマネチしているなんて――――さぁ?』
長波は呆れた表情で、頭を抱える。
それもそうだ、いつ?誰が?そこまではわからない。
だがある日突然、そうインフルエンザでも感染したかのように、駆逐艦娘が
悉く、ハイグレ魔王と呼ばれる存在を崇拝する“ハイグレ人間”になっている。
自分でも何を言っているか正直わからない。

『・・・服だけでここの4人は、ハイグレ人間じゃないとわかるけど・・・
駆逐艦寮を出たら、誰がハイグレ人間で、ハイグレ人間じゃないか、わからないよね』
島風も長波に同調するかのように頷く。
『と、とりあえず・・・まずは今日をどう生き残るか――です!!
ハイグレ人間になった艦娘は、絶対光線銃みたいなので他の艦娘を襲う―――
その瞬間の証拠のカメラも残っています!提督もきっと――――!!』
浜風は、皆を鼓舞するように激励する。そう、提督室に向かう提案をしたのも浜風だ。
大丈夫。信頼できる仲間がいる――――きっと、諦めなければチャンスはある。
まずは、提督室に行くことだ。チャンスはそこから

『へぇー・・・チャンスがあると思っているんだ。実にмилый(かわいい)だね』
その声に、岸波はぞっと毛が逆立つような恐怖を感じる。
『あなたは・・・・響、いやヴェールヌイというべきかしら?』
恐怖をかき消すように、武者震いをし、目の前に立つ1人の艦娘を睨む。
見た目はセーラー服のような恰好をしているが、私達を見る目は
まるで可哀そうな存在を見るかのような憐憫の目――ハイグレ人間に違いない

『どっちでもいいよ、ハイグレ人間になった以上・・どうでもいいことだからね』
そう答えながら、響は白昼堂々とセーラー服を脱ぎ捨て、白いハイレグ姿になる。

そこから、先は4人の知る通りだ―――ハイグレ人間たちは
足を大きく広げて腰を落とした体勢から、両手をハイレグのVラインに添え、
ある言葉を叫びながら、コマネチのようなポーズをとり続ける、そう
『ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!・・・さぁ君達もハイグレを着よう?』
妖しい笑みを浮かべながら、どこから取り出した光線銃を片手に4人に照準を合わせる。

『くっそ!!島風、岸波、浜風!!バラバラに逃げ・・・って浜風・・?』
指揮を執る長波の目に映るのは、響と同じ光線銃を持つ浜風の姿—――
嘘と思う瞬間を与える暇もなく岸波、島風、長波に
ピンク色の光線を浴びせられるのだった。

『いやぁああああ!!!!』
『きゃぁああああああああああああああ!!!』
『う・・・・ぁあ・・・!!!』
悲鳴と嗚咽を合わせたような声をあげ、彼女たちの制服は消え去り、
入れ替わるように色とりどりのハイレグ姿になり変わっていった。

『まったく・・・私言いましたよ、“その瞬間の証拠のカメラも残っています”って
どうしてその際にハイグレ人間になっていない?なんて・・・浅はかですね❤』
ハイレグ姿になった仲間達を嘲笑いながら、浜風はセーラー服を脱ぎ捨て
水色のハイレグ姿になる。
『では、改めて・・・ハイグレ!!ハイグレ!!ハイグレ!!
ハイグレ人間、浜風・・・これが本当の私です❤』
大きな胸を揺らしながら、堂々とハイグレポーズを取り始めた。

『くっそぅ・・騙してやがったのか!!クソ・・・』
マゼンタ色のハイレグ水着になった長波は悔しさを涙で滲ませ―――
『うぅ・・嫌だよぅ・・助けて・・提督・・・!!』
助けを求めるかのように、島風はコバルトブルーのハイレグ水着に――
『最低・・・こんな辱めを受けるなんて・・・!!』
怒りを滲ませながら、紅芋色のハイレグ水着の岸波は下僕と化した
響と浜風を睨みつける。
でも、これはチャンスだ。誰かが―――提督でも、他の誰でもいい。
他の誰かがこの現場を見れば――――

『いや来ないよ?』

思考を打ち砕くかのように冷たい声で言い放つ。
『偶然にも、翔鶴さんとサラトガさんが秘書艦の鹿島さんを洗脳しているからね
此処はもう、通行止め扱いになっているんだ。だ・・か・・ら、
―――軽巡も、重巡も、空母も、戦艦も・・・勿論司令官も・・・
絶対に誰も来ない。だからもう諦めて堕ちて気持ち良くなろう?ハイグレ❤』
『そうです、遅かれ早かれ・・人類も、艦娘もみーーんなハイグレになるんです
だから、さっさとハイグレポーズをとりましょう?ハイグレ!ハイグレ!』
誘惑するかのように、浜風と響がハイグレポーズを取ると・・・

『ハイグレ!!ハイグレ!!・・うそ・・体が勝手に・・!?』
3人がそれぞれ、響と浜風のハイグレポーズに呼応するかのように
ハイグレを取り始めた。

「「「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!ハイグレッ!!!」」」
ハイグレポーズを止めようとするものの、身体は言うことをきかない。それに
ハイグレをするたびに、水着がぎゅっと締め付けられていく―――
自慰を遥かに超える快楽の渦が岸波達を襲いはじめる。
(ハイグレ・・!!こんなポーズ恥ずかしい・・・なのに止められない!
でも耐えなきゃ・・・皆を元に戻すためにも・・!!)

岸波は、自らの花弁を濡らし、迫りくるハイグレの快楽に負けてたまるか、と言わんばかり身体に力をこめ、何とかハイグレから耐えようとする。―――だが、その時
『は・・ハイグレ!!ハイグレッ❤ はいぐれぇ!!おぅ❤ひゃいぐれぇ・・!』
島風が甘い吐息を吐きながら、ハイグレの快楽に溺れかけていた。
『お・・おい!島風、がんばれ・・ハイグレ!!ハイグレ・・くそ・・!』
横で同じくハイグレに耐える長波の声は届かない。その代わり
『そうそう、その調子だよ❤がんばれ❤がんばれ❤
天津風も、私も、みーんな・・島風を待ってるよ❤ハイグレ❤ハイグレ❤』と
島風の耳のそばで柔らかく甘い響の声が島風の脳内を駆け巡る・・・

(ハイグレ❤ハイグレッ・・!!そうだ・・島風はいつだって一番じゃん・・!
ハイグレ人間になれるのは遅いけど、今からでも間に合うよね・・❤)
『ハイグレ!!ハイグレッ・・ハイグレ!!ハイグレ!!ハイグレェエ❤!!』
島風はついに、噴き出した潮と共に艦娘としての誇りを手放した。
『ハイグレ人間、島風。洗脳完了いたしました!ハイグレ!!ハイグレ!!』
先程の苦痛とは打って変わって、笑顔の表情で島風はハイグレを捧げ始めた。

『・・・ごめんな島風。あとで必ずたすけてやるからな!!ハイグレぇ!!』
悔し涙を流し、耐える長波を見て岸波は少し安堵したといっても過言ではない。
自分は1人ではない――――まだ・・・

『そういえば、このビデオに駆逐艦の皆さんのハイグレポーズを
まとめているんですよ
どうです、長波さんもどうですか?』
必死で耐える長波の前に、見せつけるように浜風がビデオカメラの記録を見せる。
そこには・・・
『ハイグレ!!ハイグレ!!ハイグレ人間、暁。洗脳完了いたしました!
魔王様のために、レディーとしてすべてを捧げます!ハイグレ!!』
『ハイグレ❤ハイグレぇ・・ハイグレ人間、秋雲です!洗脳完了いたしました❤』
『ハイグレッ!!ハイグレッ!!ハイグレ人間、雷、電・・共に洗脳完了済みです(なのです)なんでも、命令を❤ハイグレ!!』
『ハイグレ!ハイグレ!・・・山風、洗脳完了しましたぁ・・❤魔王様、パンスト兵様ぁ❤ハイグレぇ!!』
ビデオの記録には、これまでハイグレ人間になった艦娘たちの服従宣言がまとめられていた。見知った者、親しかった者、守るべき者、―――そして
『ハイグレ!!ハイグレ!!ハイグレ人間、夕雲・・洗脳完了いたしました❤
ハイグレは、最高オブ最高です・・ハイグレぇハイグレ❤ハイグレェっ!!!』
――――尊敬する夕雲の服従宣言を見た時、ピキッと何かが崩れる音がした。

『そんな・・・は・・ハイグレ!ハイグレ!!や・・やめ・・いやぁ・・ハイグレハイグレぇハイグレ❤ハイグレェっハイグレ!!』
『長姉!?ハイグレ!!しっかりして!!』
岸波の必死の声は、もう長波には届かない。そんな長波を浜風は抱擁し・・
『さぁ、みーんな・・気持ちよさそうでしょ?胸も股間もこんなに寂しいのね・・❤
敗北宣言して、魔王様の下僕になりましょう?』
『・・・・うん・・・❤』
もはや、長波に抵抗の意思はない。何かにとりつかれたように、光を求めるように
声をあげて、ハイグレポーズをとりはじめる
(ダメだ・・もう夕雲姉のあんなの見ちゃったら・・ダメにきまってるじゃん・・
胸も股間もぎゅうぎゅうときついし、きもちいいし・・勝てないや・・❤』

『ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッ❤ ハイグレッあっ・・・ハイグレェ!!!!!!❤』
必死の形相で耐えていた長波は絶頂し、自ら敗北を宣言した。

「ハイグレ!!ハイグレ!!ハイグレ人間長波様!!洗脳完了いたしました!!あー、ハイグレ気持ちいい・・❤我慢するんじゃなかった❤」抵抗していたのが嘘のよう、晴れやかな表情で堂々と自らの大きな胸を張り、見せ付けるようにハイグレを取りはじめた。

「さてと、残りは岸波だね・・❤中々頑張ったね。でも
そろそろ、自分の体は限界みたいだけどね・・❤」
堪え続ける岸波を、愉しむように響は嘲笑う。

響はこんなにサディストだっただろうか?
いや、これはハイグレ人間になったからだとしておこう。
今は堪える時・・!!

岸波はひたすらにハイグレを我慢する。
だがそれを黙ってみてるわけではなく、響は向かい合い・・
「もう少し、自分に正直になってみなよ❤さぁー
ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ」

白いハイレグを見せつけ、ハイグレポーズを取る。
美しい白い髪と透き通る目ーー、白いハイレグと濡れた花弁が
岸波の理性を狂わせるーー

思わず、エロいと欲情してしまう自分がいた。
綺麗なハイグレポーズを真似したい自分がいた。
皆と一緒にハイグレ人間として服従されたい自分がいた。
このまま、響を蹂躙したい自分がいたーー

でも、艦娘としてこの気持ちは間違って・・
「ハイグレ!ハイグレ!間違ってないよ?さぁ、君は私を
どうしたいんだい?ハイグレ❤ハイグレ❤」
響は岸波をハイグレで誘惑する。

この蕩ける声が悪い!!
この甘い声が悪い!!!!!
「くぅ・・!ハイグレ❤ハイグレ❤ハイグレっ!!」
「あん❤」
岸波は響を押し倒し、彼女の脚を広げ、自分の花弁と響の
花弁を合わせるーー、そう貝合わせの体勢に入る。

(もうダメ・・❤ハイグレ❤ハイグレ❤ハイグレ❤
この白いハイレグを汚したい❤ハイグレ人間になってもいい❤
襲いたい!!悪いのは響、このハイグレ人間響が・・❤)

もはや岸波と響はとめられない
「「ハイグレ❤ハイグレ❤ハイグレ❤ハイグレ❤ハイグレ❤ハイグレ❤ハイグレ❤ハイグレハイグレハイグレハイグレハイグレハイグレハイグレハイグレ❤!!ハイグレェ!!!!!」」

貝合わせのペースに合わせるようにハイグレポーズを
とる2人。まわりのハイグレコールと合わさり、岸波の思考は
絶頂と共にハイグレへと堕ちていった・・

「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ人間岸波・・洗脳完了いたしました。
ハイグレ❤ハイグレ❤」

ーーなんと、清々しい。なんでもっと早く洗脳してもらおうと
しなかったのが、自分でも理解できない。
このハイレグ水着こそハイグレ人間の証、ハイグレ魔王様へ忠誠を誓うことこそ人類のあるべき未来だったんだ・・

「ハイグレ!ハイグレ!おめでとうございます!3人共
全員ハイグレ人間へと転向できて、安心しました・・」
ホッと胸を撫で下ろし、浜風が祝福をする。
「ねぇ、これからどうする?戦艦でも襲う?」
無邪気に島風が、提案するも・・
「残念ながら、今はまだ・・だね。でもいずれ皆、司令官も
ハイグレになってもらわなきゃ・・ね・・❤」

「じゃあ、それだったら皆にハイグレ人間になったこと
報告したいから、寮に戻りたいんだけど・・それに・・
響と岸波の見てたら・・その・・な・・❤」

長波の照れに含まれた意図をくみ取り、ハイグレ人間達は
自らの理想郷へと帰還するーー。
残念ながら、今はまだハイグレで世界を染めるにはまだ早いらしい。
ならば、今の私達にできることはハイグレ人間を増やすことだ。

世界をハイグレで染める世界ーーそんな夢の世界を実現するために
紅芋色のハイレグを身体に纏い、岸波は駆逐艦寮へと足を運ぶ。

姉さん達、仲間達の報告は勿論。響と浜風にも感謝をーー
そして、ハイグレ人間同士で身体で親睦を深めること
やらなきればいけないことは多い、でも
まずは、ハイグレを捧げるとしよう。

すべてはハイグレ魔王様のために。
008900
2019年04月08日(月) 22時13分23秒 公開
■この作品の著作権は008900さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
久しぶりの投稿です。
前回の小説への感想、ありがとうございます。
大変励みになります。

ただハイグレ洗脳にがんばれ❤がんばれ❤を
加えてみたかったんだ・・悔いはない・・

あと、岸波ちゃん。えっちぃです。

この作品の感想をお寄せください。
執筆、お疲れさまでした
仲間が目の前で次々と堕ちていく、信頼していた人が既に堕ちていたために心折れていく様が実にイイですね
そして仲間になれば一転、喜びを分かち合うギャップがたまりません

また、当方の作品へのコメントありがとうざいます。
何とか平成のうちに書き上げることが出来ました。
ヲ級に鹵獲されてもらいましたが
続きはまだ真っ白です(^_^;)
いつ完成するやら…
冬みかん ■2019-04-08 20:04:06 fl1-118-108-68-30.ygt.mesh.ad.jp
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