仮面のメイドガイ ハイグレ御奉仕!?
満月の夜、鞍馬山にメイドガイのコガラシ。
仮面をつけたハイグレ魔王が睨みあっていた。
沈黙を破り、コガラシが言う。
「お前が最近、ご主人のことを調べている、愚か者か。クククク、このメイドガイに対する挑戦か。」
コガラシの言葉にハイグレ魔王が言う。
「あらぁ、それは違うわ、私はあなたのことを調べていたのよぉ。なんたって、あなたが私の計画で、一番邪魔なんですもの。」
「どちらにしろ、ご主人の生活の妨げになるものはあいてをしてやる。」
「あぁ、残念ながら私は忙しいのよ。だからあいてをしてあげなさい、Tバック男爵。」
ハイグレ魔王がそう言うと、隠れていたTバック男爵が現れた。
「わかりました、ハイグレ魔王様。」
そう言うと、Tバック男爵がコガラシに向かってくる。
「クククク、このメイドガイ、逃げも隠れもしない。」
コガラシとTバック男爵が戦い始める。
「ほぉ、少しは骨があるようだな。」
「メイドガイの力、こんなものではない。」
コガラシとTバック男爵が戦っていると、ハイグレ魔王が鞍馬山から去っていく。
「さようなら、メイドガイさん。」
「・・・ご主人の方は頼んだぞ、ドジっ娘メイド。」
鞍馬山には、戦いの音だけが響いていた。



「ジリリリリリリリリ。」
富士原なえかの部屋の目覚まし時計が鳴り響く。しかし、なえかは目を覚まさない。・・・と、そこに、メイドガイテイマーのフブキが・・・
「なえか様、そろそろ学校の時間です。」
フブキの言葉になえかが目を覚ます。
「はえ?もうそんな時間!?急がなくちゃ。」
なえかは急いで一階に降りた。そんななえかに、弟の幸助が話しかける。
「姉ちゃん、フブキさんが言ってたんだけど、少しの間コガラシさんが帰ってこれないらしいよ。」
「へぇー、それは少し平和が続くわね。」
幸助の言葉になえかは少し嬉しそうに言った。
「えぇ!!姉ちゃん嬉しいの?」
幸助は少し不満そうに言った。
「当然。だって、コガラシさん学校に来てたのよ。私の下着の色を平気で言うし、体重のことだって・・・。」
なえかはコガラシのしてきたことを幸助に伝え続ける。
「わ、分かったよ姉ちゃん、ほら、早く学校に行かなくちゃ。」
幸助は早く朝食をすませるように言う。
「はいはい、急ぎますよ。」
なえかは朝食をすませ、幸助と家を出ようとする。
「フブキさん、行ってきます。」
「はい、いってらっしゃいませ、なえか様、幸助様。」
フブキは二人を見送った。二人が家を出たことを確認すると、全重郎に連絡をする。
「全重郎様、コガラシさんが少し帰ってこれないとは何があったのか詳しく教えていただけませんか?」
フブキの質問に全十郎は答える。
「うーむ、実は、最近なえかのことを調べている者がいるとのことで、極秘で捜査を行っていたのじゃが、どうやらその者は仮面をつけていて、赤いハイレグ水着を着ていたらしいのじゃ。」
「は、ハイレグ水着ですか?」
フブキはなんともいえないような感じで言った。
「あぁ、格好はともかく、そのような者がいるとなると、なえかが危険じゃ、だから、コガラシをそやつのところへむかわせた、まあ、コガラシは最強のメイドガイじゃ、フブキは心配などせず、いつもどうりでいればよい。ただ、このことはなえかに言うな、よいな?」
「はい、承知しています。」
そう言ってフブキは連絡を切った。
「ハイレグ水着を着ている?なにごともなければいいのですが・・・。」




そのころ、なえかは私立秀峰制覇学園に到着していた。
校門前でなえかの級友である、ポニーテールの和泉英子とショートカットの平野美和がいた。
「おはよう、なえか。相変わらず朝から乳揺らしてんなぁ。」
英子がそう言うと、美和が続いて言う。
「本当、毎朝なえかの乳を見せられてるからな。」
「別に好きで揺らしてなんかないわよ。」
なえか達はいつものように会話をしながら、教室に向かった。
そして、授業が始まった。授業中、英子がひそひそ声で話しかけてくる。
「ねぇ、なえか、今日さぁ、商店街の方が騒がしくなかった?」
「そう?私は全然気づかなかったよ。」
なえかの言葉に美和が話しかけてくる。
「えぇ!悲鳴も聞こえたのに?」
「ひ、悲鳴!?なんで商店街の方をみに行かなかったの?」
なえかの質問に英子が答える。
「見に行ったところで、何の役にも立たないでしょ。なんかのイベントかもしれないし・・・。」
「まぁ、そうよね、街中で悲鳴なんてねぇ。」
なえか達は特に気にせず、授業にもどった。そして、何事もなく、放課後が来た。なえか達は剣道部部室に向かった。


そのころ、商店街の方では・・・
「ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
男女関係なしにハイレグ水着姿で足を蟹股に開き、「ハイグレッ!」と叫びながら、コマネチのような動作をとっている。
そこには、ハイグレ魔王がいた。
「おほほほ、この辺は制圧完了ね。さてと、そろそろあのメイドガイとかいう男が言ってたご主人とやらの通っている学校に向かうとでもしようかしら。」
ハイグレ魔王は商店街を出て、なえかの通う学校へパンスト兵を引き連れ、向かった。



再び私立秀峰制覇学園、なえか達は部活動をしていた。
懸命に剣道の練習をするなえかに女子剣道部部長の内藤昌が話しかけてくる。
「副主将、気合いが入ってるのはいいけど、あなたはこの前の数学のテスト、何点だったの?。」
昌の言葉に、なえかはゆっくりと右手の三本指を立てて言った。
「33点です。・・・あ、あはは、調子悪かったかなー。」
なえかの言葉に昌は糸目を開き、厳しく言う。
「副主将?あれだけ勉強しなさいといいましたよ。」
「いや、その、今回のテスト、難しくて・・・。」
なえかがなんとかその場をごまかそうとしていると、外から悲鳴が聞こえた。
その悲鳴に部員達が驚く。そんな中、なえかは竹刀を握り、外へ向かう。
「まさか、コガラシさんが戻ってきたの?」
そんなことを考えながら、なえかは外に出た。
しかし、なえかが見たのは、ハイレグ水着を着て、足を蟹股に開き、「ハイグレ!」と叫び、コマネチのようなポーズをとっている生徒たちだった。
「な・・なによこれ・・・なんの集会よーーー!!」
パニックに陥るなえかにハイグレ人間にされた生徒たちが近づいてくる。
「え、ちょっと、ま、待って。」
なえかの言葉は聞こえないかのように、生徒たちはどんどん近づいてくる。
そして、生徒たちは銃をとりだした。
「銃!?ど、どうなってんの!?」
なえかはあまりの出来事に体が動かなかった。
しかし、そんななえかにハイグレ人間たちが銃をむけ、撃ったその瞬間、昌がなえかを助けた。
「部長!」
「怪我はない?副主将。」
昌に続き、美和、英子、他の部員も集まる。
「みんなー。」
涙目のなえかに英子が言う。
「どうして一人で突っ走るかね、きみは。」
「だってだって・・・」
なえかと英子に昌が言う。
「話をしている場合ではありません。この人たちに何があったか知りませんが、人様に銃を向けるなど、とんでもない。」
昌は竹刀を構える。ハイグレ人間たちは昌に向けて銃を撃ってくる。
昌はうまくかわし、部員達に言う。
「みんな、何をしているの?ここは私に任せて、早く先生たちに伝えてきなさい。」
昌の言葉になえか達は言い返す。
「部長をおいていけませんよ。」
「そうですよ、私たちも戦います。」
部員達の言葉に昌は厳しく言う。
「この人たちの目は普通じゃない、それに銃を使って・・・!。」
「きゃあああああ!」
昌がなえか達に早く行くよう言っていると、銃の光線が一人の女子剣道部員に命中した。赤い光に包まれる。
そして、胴着がハイレグ水着に変わり・・光から少女が解放されると、恥ずかしそうにハイグレポーズをとり始めた。
「ハイグレ・・・ハイグレ・・嫌・・ハイグレ・・。」
ハイグレ人間の誕生を目撃してしまったなえか達は言葉を失ってしまった。
しかし、再び光線銃を撃ってくる生徒たちを見て、昌は我に帰る。
「みんな、早く校舎へ!」
さすがのなえかも今のを目撃したら、焦りと恐怖がこみあげてくる。
(誰かにこのことを伝えなくては・・・)
「わかったわ、すぐに戻ってくる。」
なえかはくやしい気持ちを抑え、校舎へ走り出した。
部員達もなえかの後を追う。
しかしハイグレ人間たちは校舎に向かうなえか達を光線銃で狙う。
「私の部員に手は出させない。」
昌は竹刀で光線銃を弾き飛ばす。
「部長ー♪だめじゃないですか、ハイグレを着なくちゃ。」
昌は声がする方を見ると、先ほどハイグレ人間にされた少女が光線銃を向けていた。
もう、恥ずかしがってる様子もなく、笑顔だった。
「どうしたの!?あんなに嫌がってたじゃない。」
「嫌がってなんていません。ハイグレはとても気持ちいいですよぉ、さあ、部長もハイグレ人間にしてあげます。」
少女が光線銃を構える、昌もかわそうとしたが、他の生徒たちに抑えられた。
「はっ!?しまった。」
身動きのとれない昌は光線を浴びてしまう。
「きゃああああああああ!!」
赤い光に昌は包まれる。そして、胴着がハイレグ水着に変わる。
赤い光から解放された昌は緑のハイグレ人間になった。
「そ、そんな・・・。」
「部長!ハイグレ人間の仲間入りですね。さあ、ハイグレしましょう。ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
少女は楽しそうにハイグレポーズをとる。
「逆らえない・・・ハイグレ・・・くっ・・ハイグレ・・・。」
昌は苦しそうにハイグレポーズをとり始めた。
数分後・・・
「部長、そろそろ私たちもなえか先輩達を探しに行きましょう。」
少女の言葉に昌は・・・
「そうね、みんなにもハイグレの素晴らしさを伝えてあげましょう。」
昌は完全にハイグレの虜になってしまった。
「ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
二人はハイグレ魔王に忠誠のポーズをとり続けた。





さて、そのころ藤原家ではフブキが再び全重郎に連絡をとっていた。
「・・・全重郎様、先程のハイレグ水着を着ている者のことなのですが。」
「わかっておる、動き出したな・・・。」
「はい、そうなのですが、既に蒼木ヶ原市秀峰町に侵入しているとのことで、なえか様の安全状況は・・・。」
フブキの言葉に全重郎は驚く。
「なんじゃと!!」
「ですから、コガラシが不在の今、私がなえか様のところへ行きます。
「あぁ、何が何でもなえかと幸助を守るのじゃ。」
「はい、承知致しました。」
フブキは連絡を切って、私立秀峰制覇学園へと向かった。


一方、鞍馬山では・・・
「メイドガイボイス。キュイン、キュイン。」
「ぐぉわああああ。」
コガラシは激戦の末、Tバック男爵を倒していた。
「やっと終わったか・・・むっ、メイドガイレーダーがご主人の危険を確認。
ドジっ娘メイドだけではご主人を守れん、今行くぞご主人。」
コガラシも私立秀峰制覇学園へ向かった。



戻って、私立秀峰制覇学園・・・
なえか、美和、英子、その他女子剣道部部員5人程は職員室に到着。
しかし、なえか達が見たのは誰もいない職員室だった。
「どうなってんの、誰もいないなんて・・・。」
なえか達が困り果てる。そこに廊下から昌の声が・・・
「副主将ーどこにいるのー。」
「部長の声だ。」
なえかが声に気づき、廊下に出る。
「えっ!?部長?」
なえかが見たのはハイグレ人間になった部長だった。
「副主将、こんなところにいたのね、あなたも早くハイグレ人間になりなさい。」
昌は光線銃をなえかに向ける。
「そんな、部長が・・・。」
「なえか、避けて!」
美和が呼んでも、なえかは動けない。赤い光線がなえかに飛んでくる。
「なえか様、危ない!」
フブキがなえかの手を引っ張り、助けた。
「フブキさん!どうしてここに。」
「なえか様、話は後です。今は逃げましょう、美和さんたちも。」
フブキがそう言うと、美和達も廊下に出て、出口に向かって走り出す。
そんななえか達を昌は狙い撃ちする。
「きゃあああ!ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「いやあああ!ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
部員達が次々にハイグレ人間にされていく。
やっとの思いでなえか達は体育倉庫の裏に着いた。
しかし、無事に着いたのは、なえか、美和、英子、フブキ、そして、なえかの後輩の木下望だった。
息切れをおこしているなえかがフブキに質問する。
「フブキさん、何がどうなってんの?どうしてみんなハイレグ水着なんて着てるの?あの光線銃は何なの?」
「なえか様、落ち着いてください。・・・この事件の原因はハイグレ魔王。」
「ハ?」
「ハイグレ?」
「魔王?」
フブキの言葉になえか達は目が点になっていた。
「信じられませんか?」
「あの部長の変わりようを見たら嫌でも信じるしかないよね・・・。」
フブキの質問になえかは答えた。再び話し出す。
「ハイグレ魔王はこの地球を支配するために人々を自分の奴隷に変える。」
「そ、その奴隷になった姿がハイレグ水着姿なの?」
「その通りです。先程の光線銃の赤い光線にあたった者はハイグレ人間にされてしまいます。」
あまりに突然の出来事になえかは慌てる。
「ど、どうすればみんな元に戻るの?」
「ハイグレ魔王を倒すしかありません。」
「どうやって倒すのよ!嫌ぁ、私はあんな格好したくないぃ。」
完全にパニック状態のなえかをスルーして美和がフブキに質問をする。
「ハイグレ魔王を倒す方法はないのか?」
「・・・わかりません、弱点はあるはずなのですが。」
悩んでるフブキになえかが・・・
「あ!幸助は?」
「申し訳ありません、なえか様、探したのですが幸助様はみつかりませんでした。」
「そう・・・コガラシさんもいないし、これからどうしよう。」
「そうですね・・・。」
フブキが考え始めると、英子がなえかに目を光らせながら言う。
「でもさぁ、なえかがハイレグ水着を着たら・・・いけるかも・・・。」
「英子!?何がいけるの?」
なえかの質問に美和が答える。
「乳だけ女卒業よ。」
「こんな時までふざけないでよ。」
「ふざけてなどいなーい!」
と、どこからか声が・・・
「だ、誰?」
なえかが振り返ると、そこには猪口、植芝、リーダーがいた。
「俺たちは富士原なえかの乳ファンクラブ!ハイレグ水着の富士原の乳が・・・あの乳を締め付けるハイレグはふざけてなどいなーい!」
リーダーがそう言うと、なえかは拳を震わせていた。
「乳、乳、乳って、いい加減にしなさい!!」
なえかは乳クラブの3人に竹刀を向ける。
「落ち着け、富士原、俺たちはただ純粋に乳を愛しているだけだ、ぐはっ。」
なえかは乳クラブの3人に竹刀を振り下ろす。
「なんであんたたち無事なのよ!」
「俺たちは富士原のハイレグを見るまでは死なん。」
「あんたたちはさっさとやられていいわよ!!」
怒りのなえかをフブキが止める。
「なえか様、今は学校を出ることの方が優先です。」
「フブキさん。そうね。そこの乳クラブ共、フブキさんに免じて、今は勘弁してあげる。感謝しなさい。」
なえかの言葉にリーダーが答える。
「俺は富士原がなんと言おうと乳クラブだ!」
なえかは怒りを堪え、体育倉庫の裏から動き出した。



なえか達が学校の脱出を試みている時、エリザベス・K・ストロベリーフィールド、通称リズは校舎内にいた。
「生徒一人いませんわ、誰かいませんのーーー?」
リズが大声で人を呼ぶと、リズのもとに来たのは、女子生徒のハイグレ人間だった。
「な!?何なんですの?その格好。今から泳ぎにでも行くんですの?」
女子生徒は黙って光線銃をリズに向ける。
「いきなり銃を向けるなんて、何者?」
「お嬢様、逃げてください。」
リズの前にメイド忍者のシズクが現れた。
「シズク?いったい何なんですの?」
「いいから早く逃げてください。」
リズとシズクが話していると、女子生徒が光線銃を撃ってくる。光線銃を撃ってくる生徒を見たら、リズも状況が普通ではないと悟った。
「後で、説明してもらいますわよ。」
そう言って、リズは校舎の出口へ向かう。
(よし、これで最低限姉上の言いつけは守れたわ。)
シズクは赤い光線をかわしながら、心の中で思った。
シズクの姉、ツララの言いつけとは、リズを校舎から無事に脱出させること。
(外には姉上がいるし、私も脱出を・・・あれ!?無い、忍者道具の煙玉が・・・無い。)
シズクはポケットを探るが、煙玉がないのだ。
「だったら、強行突破を・・・!?」
シズクが前を向いても、後ろを向いても、ハイグレ人間に囲まれている。
「い、いつの間に。だけど、メイド忍者が一般人に負けなど・・・。」
シズクがクナイを握り、ハイグレ人間に向かう。
「悪いけど、ハイグレ人間にされてしまっているからには本気で行くわ。」
シズクがハイグレ人間に向かっていくが、ハイグレ人間たちに抑えられる。
「な、なぜ、メイド忍者の私が一般人に力負けなんて・・・。」
抵抗するシズクにハイグレ人間の女子生徒が耳元で囁く。
「メイド忍者だか、何か知らないけど、私たちがハイグレ人間だと知っているなら、力が普通の人間とは比べ物にならないことくらい、知らないの?」
ハイグレ人間の女子生徒の言葉を聞いたシズクは抵抗する。
「ひっ、嫌、やめて。」
抵抗するシズクを見て、ハイグレ人間の女子生徒は笑顔で光線銃をシズクに押し付ける。
「大丈夫よ、ハイグレは気持ちいいから。それに、あなたは可愛らしいハイグレ人間になれそう。」
「ハイグレ人間なんて嫌ぁ。」
抵抗もむなしく、シズクは赤い光線に包まれる。
「姉上ーーーーー!!」
光から解放された時にはシズクは青いハイレグ水着姿だった。
「うぅ、こんな格好、恥ずかしすぎる。」
シズクは切れ込みのあたりを隠しながらくやしそうに言う。
「とっても似合っていますよ。さぁ、一緒にハイグレしましょう。ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
ハイグレ人間の女子生徒がポーズをとると、周りのハイグレ人間たちもハイグレポーズをとる。
「ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「何なの、この感覚。私の体が、心が、こんなポーズをとりたがってる。」
シズクは下半身に向けて動く自分の腕を見て、止めようとする。
「何を嫌がっているのかしら?早く気持ちよくなったらいかが?」
「止められない、いやぁぁああ、ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
シズクはとうとうハイグレ人間になってしまった。
「ハイグレ人間になれた感想はいかが?」
女子生徒の言葉にシズクは・・・
「あぁん、もう最高、ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレェェッ♪」
「これからはあなたも仲間よ、よろしくね、メイド忍者さん。」
「いいえ、メイド忍者ではありません、今日から私はハイグレ人間シズクです。ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
しばらくの間、シズク達は幸せそうにハイグレをしていた。
こうして、また一人ハイグレ人間が誕生してしまった。



一方、なえか達はハイグレ人間たちに見つからず校門前に到着したが・・・
「どうすんのよ、門の前に見張りのハイグレ人間が5人もいるわよ。」
なえかの言葉に美和が言い返す。
「誰かが囮をしてくれればなぁ・・・。」
「それなら適任な人たちが・・・。」
なえかは猪口、植芝、リーダーの方を見る。
「むっ!富士原、なぜ我々を見る?」
「いやぁ、男ならか弱い女の子を守るものでしょ。」
英子がなえかの言葉に続く。
「そうそう、しっかりやってくれよ。」
「待て待てい、我々は富士原の乳を・・・。」
否定するリーダーに美和が言う。
「だったら、あんたたちが囮をして、私たちが脱出したうえで、あんたたちが無事だったら、なえかの乳をやるよ。」
美和の提案になえかは・・・
「あぁ、なるほどぉ、それなら乳クラブの3人も納得を・・・て、こらあぁぁああ、何、人の胸を勝手に・・・。」
「富士原なえか乳ファンクラブ出動!」
リーダーたちはなえかの話を聞かず、ハイグレ人間たちに向かっていく。
「人の話を聞けーーー!」
「なえか先輩、早く行きましょう。」
望がなえかに呼びかけた。フブキ、美和、英子の3人はもう動き始めていた。
「あ、ちょっと待って。」
望となえかも校門付近に動く。
「我々は富士原なえか乳ファンクラブ、富士原の乳のために、かかってこい、
ハイグレ人間共。」
リーダーがそう言うと、ハイグレ人間が乳クラブに光線を撃ちながら向かってくる。
「乳のためだ、全員散らばれーー!」
猪口、植芝、リーダーは3方向に散らばる。
「今なら行けます、みなさん、急いで。」
フブキの掛け声とともにフブキ、なえか、美和、英子、望の順に学校から脱出する。そのままなえかは自宅の方へ進みだす。しかし、美和が止める。
「なえかー、どこ行くつもりー?」
「家に決まってんでしょ、学校から出ればこっちのもんよ。」
「いけません、なえか様、街にもハイグレ人間が、いえ、ハイグレ人間しかいないかもしれません。」
フブキの言葉になえかは・・・
「うそ・・・どうすんのよ・・・。」
「姿を隠しながら、家に戻りましょう。」
5人は富士原家へと進みだした。



まだ学校にいる、リズはというと・・・
「また変人たちばかりですわ・・・て、こっちに向かってきてますわー。」
「お嬢様、ご無事ですか?」
リズの前にメイド忍者であり、シズクの双子の姉でもあるツララが現れた。
「ツララ?あなたまで来てたの?」
「お嬢様、今、この学校は危険です。しっかりついてきてください。」
そう言うと、ツララは煙玉を地面にたたきつけた。そして、リズの手をひっぱって校門へ向かった。
移動中、ハイグレ人間が襲ってくるが、ツララはシズクより強く、うまくハイグレ人間を振り切り、校門前についたが、そこにいたのは・・・
「シズク!?なんなのその格好。」
「姉上・・・うふ、ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
シズクは気持ち良さそうにハイグレをする。
「あんたにプライドって物はないの?」
「プライド?ありますよ、ハイグレ人間としてですけど。」
「シズクまで変態になってしまったのかしら?」
リズの言葉にシズクは強く言い返す。
「変態とは失礼ですね。お嬢様もハイグレ人間にしてあげます。」
シズクはハイグレ銃を取り出す。
「お嬢様、シズクは私に任せて、先に行っててください。」
「そうさせてもらいますわ、姉妹の問題ですものね。」
リズは校門から出て行った。
「姉上、ハイグレは締め付けが快感ですよぉ、さぁ、仲間になりましょう。」
「シズク、あんたが私に勝てるとでも思ってるの?」
「ハイグレ人間になった私なら、勝てますよ。」
「ふん、だったらやってみなさい。」
ツララは一瞬でシズクの後ろに回り込む。
「あら、姉上、速い動きですね。」
「ずいぶん余裕ね、なぜかしら?」
「さぁ?」
シズクは光線銃を撃ってくる。しかし、ツララはかわす。
「それで勝ったつもり?」
ツララはシズクの光線銃を蹴り上げる。
「私の勝ちね、シズク。」
ツララはシズクに近づく。
「姉上!」
「今更、謝るのかしら?」
「姉上、ハイグレの世界へようこそ♪」
シズクは光線銃をとりだす。
「どうして、光線銃が。」
シズクは先ほどの女子生徒からハイグレ銃を借りていた。
「シズク、卑怯よ。」
「心配しなくても、すぐ気持ち良くなるから。」
シズクはツララに光線銃を撃つ。
「いやああぁぁああ!」
ツララは赤い光に包まれる。光から解放された時にはツララは黒いハイレグ水着を着ていた。
「こ、この私が、こんな格好をするなんて・・・。」
「姉上も私たちの仲間よ、ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「あんたたちの仲間なんて嫌よ。それに、こんな水着嫌。」
「ハイグレ魔王様からいただいた、このハイレグ水着、素敵じゃない?あぁ、ハイグレ魔王様。ハイグレッ♪ハイグレッ♪ハイグレッ♪」
シズクはハイグレをするたびに感じているようだ。
「くっ、何、私があんな変なポーズをしたがっているなんて・・・。」
ツララは下半身をもじもじさせている。
「ハイグレをするたびにね、股間が、キュンって締め付けられるの。」
「あぁ、嫌ぁぁ、ハイグレしたいぃぃ!」
「姉上、一緒にハイグレをしましょう。」
シズクの誘いにツララは・・・
「もう我慢できない、私はハイグレ人間ツララよ!」
そう言うと、ツララは蟹股になった。
「ハイグレッ♪ハイグレッ♪ハイグレッ♪」
「ハイグレッ♪ハイグレッ♪ハイグレッ♪」
シズクとツララは元気よく、ではなく、色っぽくハイグレを続けていた。



自宅に向かうなえか達はというと・・・
「フブキさん、本当にハイグレ人間ばっかりだね。」
「そうですね・・・動くに動けませんね。」
なえか達は、商店街付近で進路が断たれていた。今は物影に身をひそめているが、いつ見つかることやら・・・
5人が悩んでいると・・・
「何をしている、ご主人。」
コガラシが目の前に現れた。
「う、うわっ、コガラシさん、驚かせないでよ、ハイグレ人間にみつかったと思ったじゃない・・・て、なんでここにいるのぉぉぉ!?」
なえかが大声で驚く。
「なえか様、は、ハイグレ人間たちがこっちに来ています、逃げますよ。」
「ご主人の声に気づかれたか、やってくれたなご主人。」
「だって、しばらく戻らないって言ってたって・・・。」
「あぁ、17時間42分51秒の間、ご主人のもとを離れていた。」
なえかはコガラシのしばらくというものがよくわからないでいた。
「コガラシさん、なえか様は私が守ります。」
フブキの言葉にコガラシは・・・
「楽な道を選んだか、このヘタレメイドが。」
「楽ではありません、前線で戦うのは力のある、コガラシさんに任せるだけです。・・・それと、ヘタレメイド?」
「ジュワッチ!」
コガラシはフブキを無視して、ハイグレ人間に突っ込んでいく。
「・・・行きましょう、なえか様。」
「フブキさん、顔が笑ってないよ・・・。」
とりあえず、ここはコガラシに任せて、なえか達はガラ空きになった道を進んで行く。と、そこに・・・
「げっ、牛乳女。」
「リズ?」
学校から、無事に帰ってこれた、リズだった。
「なぜ、あなたたちは無事なのかしら?もはや、相手にされてないのかしら?
そんな贅肉袋を二つもつけていると、水着が破れそうですものね。」
リズはなえかに指をさし、言った。
「な!?あんたこそ、そんなまな板だもんね。」
なえかがそう言った瞬間、美和と英子が飛びかかってきた。
「痛っ、なにすんのよぉ。」
「一度、思い知らせてやるわ。」
「どれだけ辛いか・・・。」
困るなえかは光線銃で狙われた。
「し、しまった。」
なえかは赤い光に包まれる・・・と、思いきや、光に包まれていたのは、望だった。ぎりぎりのところで、望がかばってくれたのだ。
「望!?どうして?」
「なえか先輩、私の分まで頑張ってください・・・。」
望が光から解放されると、黄緑のハイレグ水着姿の望が誕生していた。
「あれ?なんだか心がぽかぽかする。あんなに嫌がってたのがばかみたい。」
望が嬉しそうにハイグレをしようとするのをなえかが止める。
「なえか先輩、人間のあなたにハイグレ魔王様からいただいた、ハイグレに触れないでほしいのですが・・・。」
「望、目を覚まして!あなたはハイグレ人間なんかじゃないわ。」
「ハイグレ人間望ですってば、先輩もハイグレをしましょう。」
望は光線銃を取り出す。
「私が望の目を覚ます。」
なえかは竹刀を構える。
「竹刀では光線は防げませんよ。」
望が光線銃を撃とうとした瞬間、なえかは望と距離をとる。
「?離れちゃうんですか?うふっ、ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
望は蟹股になり、楽しそうにハイグレポーズをとる。
「くっ・・・。」
なえかはくやしそうに唇をかみしめる。
「ご主人、そいつのトラックに乗せてもらいな。」
そのトラックとは、鮮魚屋の魚松マグロだった。
「おぉ、お譲ちゃん、乗っていきな。」
「あ、あはは。」
他に逃げる道がないため、なえか、フブキ、リズ、美和、英子の5人は、トラックの荷台に乗った。
「魚松さん、私の家までお願い。」
「あいよー。」
トラックは出発した。
「どうして私が牛乳女なんかと。」
不満そうなリズ、しかし、なえかは・・・
「そう。」
元気がないようだ。
「どうした?なえか・・・て、望のことか・・・。」
「うん、私のせいで女子剣道部のみんながあんな格好に・・・。」
「なえか、元気出そう、みんなを元に戻す方法はあるんだし。」
「そうだね。」
商店街から家までは近かったので、ハイグレ人間にはみつからなかった。
「じゃあね、お譲ちゃん達。」
「魚松さんも、ハイグレ人間には気を付けて。」
「あぁー♪ハイグレーはぁ、嫌いじゃないよぉー。」
歌いながらトラックを走らせて行った。若干心配だが・・・
とりあえず、なえか達は自宅に入っていった。



「さて、これからどうしようか。」
富士原家で対策会議を開いていた。
「なえか様、もしかしたら・・・ですけど、龍玉神社なら・・・。」
フブキの言葉になえかは驚く。
「そっか、あそこならどんな願いでも叶えてくれる。」
「あら、私も行ったことのある場所ですわね。」
リズも言う。
「なえか、龍玉神社って?」
美和が聞く。
「あぁ、龍玉神社ってのは、神様を喜ばせれば、願いが叶う場所よ。」
「だったら簡単じゃん、早く行こうよ。」
4人は同意をしている。そこにフブキが聞く。
「でも、それは、かなり危険なかけです。」
「へ?どういうこと?」
なえかフブキに聞き返す。
「もし、ハイグレ魔王が龍玉神社のことを知っていたら、真っ先につぶしにかかるでしょう。」
「確かにそうかも・・・。」
「行くとしたら、かなりの覚悟ができていないと。」
リズ、美和、英子は黙り込む。そんな中、なえかが口を開く。
「行こうよ、みんなを元に戻すためだよ、がんばろうよ。」
「なえか様・・・私もご一緒します。それがメイドの務め。」
そんな二人をみて、3人も・・・
「なえか、私も行くよ。」
「わたしだって。」
「し、仕方ないわね、ついていってあげますわ。」
「みんな、ありがとう。」
5人が覚悟を決めると、コガラシが庭に登場。
「ご主人、話は決まったな、行くぞ。」
「コガラシさんがいれば、安心だよって、フブキさん?」
フブキはコガラシを釘バットで血まみれに・・・
「コガラシさん、ヘタレメイドとは?」
なえかは不安な気もしたが、6人で目指すは龍玉神社!!



龍玉神社に向かう6人。しかし、行く手を阻むのは、ハイグレ人間。
「コガラシさん、また敵が来た。」
「まかせな、ご主人。」
コガラシはハイグレ人間と応戦。そこに・・・
「そこまでだ。」
「シズクに・・・ツララ!?あなたまでハイグレ人間になったの?」
6人の前に現れたのは完全にハイグレ人間となった、シズクとツララだった。
「お嬢様、早く諦めてハイグレ人間になりましょう。ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「ハイグレは素晴らしいわ、ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「まずいですわね、二人共厄介ですわ。」
リズが怯むと、まず、シズクが光線銃を撃ってくる。
「お嬢様、覚悟。」
「リズーーー!」
なえかの声が響く、しかし、リズはハイレグ水着を着ていない。
「お兄様!?」
リズが目をあけると、リズの兄、へンドリックがリズをかばっていた。
「あはは、登場いきなり、ハイグレ人間にされるなんてね。ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
へンドリックは紺色のハイグレ人間になっていた。
「お兄様、どうして・・・。」
「大切な妹のためじゃないか、さぁ、私の妹よハイグレ人間にしてあげよう。」
へンドリックがリズに光線銃を向ける。
「リズさん、危ない!」
フブキがへンドリックに向かおうとするが・・・
「そうはさせないわ。」
二人のメイド忍者、いや二人のハイグレ人間がフブキに向かってくる。
「ドジっ娘メイドよ、さっさと片付けるぞ。」
コガラシもシズクとツララとの戦いに向かう。
フブキ&コガラシXSシズク&ツララの戦いが始まった。
動けないフブキとコガラシにかわって、なえかがへンドリックに向かう。
「行くよ、へンドリックさん!」
「おう、愛しの胸の君。君からハイグレ人間にしてあげよう。」
へンドリックはターゲットをなえかに変更。
「なえか!危なーい!きゃあああ!」
美和が狙われたなえかを助け、かわりに光線を浴びてしまう。
「美和ーーーー!!」
赤い光から解放された美和は、水色のハイグレ人間になっていた。
「う、嘘・・・なえか・・・ごめん・・・ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「そんな、やめて、美和・・・。」
なえかの声が聞こえないかのように美和は元気良くハイグレポーズを繰り返す。美和の苦しそうな顔がだんだん笑顔になっていく。
「なえか、ハイグレって、すごく気持ちいいよ、ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「うぅー、美和の仇。」
変わり果てた美和を見て、英子がへンドリックに向かっていく。
「はははは、君もレッツハイグレ!」
へンドリックは英子の攻撃をかわし、右腕をつかむ。
「はなせーー。」
「君もハイグレの虜にしてあげよう。」
へンドリックはあの魅惑の魔眼で英子を見る。
「嫌ぁ・・・あ・・へンドリック様・・・。」
英子は術中にはまってしまった。
「英子、今助ける。」
再び、なえかがへンドリックに向うが・・・
「なえかも仲間になろう。ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
美和が立ちはだかる。さっきまでは共に戦う味方だったが、今はハイグレ魔王の僕だ。
「美和、そこをどいて、英子がハイグレ人間にされちゃう。」
「素晴らしいことじゃない?」
なえかの言葉も、ハイグレ人間の美和には届かない。
「きゃあああぁぁぁああ!!」
英子の悲鳴。なえかが英子の方を見る。そこにはオレンジのハイレグ水着に身を包まれた英子がもじもじしていた。
「くっ、こんな姿・・・嫌。」
「とても似合っているさ、ハイグレってやってごらん?」
へンドリックの言葉に英子は・・・
「はい、先生の仰せのままに。ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
英子は幸せそうにハイグレポーズをとる。
「英子ーーーーー!!」
なえかの叫びも空しく、英子はハイグレ人間になってしまった。
「さぁ、次は君だよ?愛しの胸の君。」
へンドリック、美和、英子によって、なえかは囲まれる。
「美和!英子!目を覚まして。」
「これが本当の私たち。」
「目を覚ますのはなえかの方だよ。」
なえかの言葉では、ハイグレ人間となった者には通用しない。
「はっ!コガラシさん、なえか様が危険です。」
フブキが光線をかわしながら言う。
「ふん、メイドガイフリーズボイス!」
コガラシが相手の動きを止める技を繰り出す。
「しまった。」
「くっ。」
シズクとツララの動きが止まる。だが、ハイグレ人間の二人は今にも動き出しそうだ。ハイグレ人間はメイドガイフリーズボイスをも弱効果にするようだ。
「なえか様ーーー!!」
フブキがなえかの元に向かう。
「邪魔はさせない。」
美和と英子がフブキの行く手を阻む。
「覚悟するんだ、愛しの胸の君。」
へンドリックが光線を放とうとした時・・・
「怪傑いちご仮面参上!!」
いちご仮面(リズ?)の蹴りがへンドリックにヒット。
「リズ!」
「・・・・・・。」
なえかの言葉ににらみ返す、いちご仮面。
「あはは、いちご仮面・・・。」
「なんですの?ミス・富士原。」
「・・・どこで着替えたの?」
「私は忙しいのでこれにて。」
いちご仮面は茂みの方へ飛び込んだ。
「なえか様、早く行きましょう。」
美和と英子をやっとの思いで気絶させた、フブキが言った。
「そうね、願いさえ叶えば、皆を元に戻せるもんね。コガラシさん。」
なえかがコガラシを呼ぶと。
「メイドガイフリーズボイス、メイドガイフリーズボイス。」
連発していた。
「コガラシさん!!」
「先に行ってろ。」
「ふぅ、仕方ありません、急ぎましょう。」
なえかとフブキは再び進みだす、リズもついてきているようだが。
龍玉神社はもう目前、いよいよこの戦いに終止符は打たれるのか?



なえか、フブキ、リズの3人は遂に龍玉神社に到着。
「ついた、龍玉神社。美和や英子を助ける為にも、頑張らなくちゃ。」
なえかが意気込むと、神社の中から巫女が出てきた。
「当やしろに祈願の方ですね?」
「あ、はい、そうです。」
「先ほど、ガイから連絡を受けました。神もよろしいとのことなので、こちらへどうぞ。」
巫女は神社の奥へと進みだす。
「フブキさん、行こう。」
「はい、なえか様。」
「リズも。」
「わ、私は牛乳女と一緒なんてごめんですわ。」
なえかの言葉を徹底的に否定するリズ。
「こんな時まで何を・・・まぁ、いっか。」
なえかとフブキはリズを置いて進みだした。一人残ったリズは・・・
「急いで着替えなくてはいけませんわ。」

龍玉神社を進む、なえか、フブキ、巫女・・・
「今日は何を祈願を致すのですか?」
「え?コガラシさんから連絡を受けたんじゃ?」
「内容までは聞かされていません。」
「そうなんだ・・・って、急がなくちゃいけないんだった。今、この辺はハイグレ人間って言うのがいて・・・。」
なえかがなんとか説明をした。
「なるほど、・・・神はファインプレイをして見せたらいいとのことです。」
巫女がそう言うと、なえかがフブキに目を向ける。
「フブキさん、ファインだよ、やってやって。」
「できません!!こんな非常事態でもファインを求めるなんて。」
「全ては神の意志、するかしないかは本人次第です。」
「で、巫女さん、ファインって何をすればいいの?」
なえかが巫女に質問する。
「・・・でました、今日はアーチェリーがみたいとのことです。」
「「アーチェリー!?」」

移動してアーチェリーの準備万端。
「フブキさん、どうしてアーチェリーなんだろうね。」
「わかりませんが急いで願いを叶えてもらわなくてはいけませんね。」
なえかとフブキは弓を構える。
「始め!!」
巫女の声とともに二人は弓を射る。
「でも、どうやってファインをとれば・・・そっか。」
なえかは弓をフブキに向ける。
「なえか様!?」
「フブキさん、覚悟!」
なえかはフブキの足元に矢を当てた。フブキはかわしたが、あまりに急だったので、体勢を崩した。
「ていっ。」
なえかは体勢を崩したフブキをうまく転ばせる。
「きゃああ!」
完璧なパンチラだった。
「・・・きました、神はメイドさんのパンチラに満足とのことです。」
「なえか様!!」
「いいじゃん、願いを叶えてくれるんだよ?」
「後で話がありますからね?」
「では、お二人とも、願いを・・・。」
巫女が二人に願いを聞こうとしたとき・・・
「なえかーーー、来てあげたわよーーー。」
美和と英子がなえか達に近づいてくる。他の巫女さん達はもうハイグレ人間になっていた。
「美和!英子!」
「コガラシさんは?」
「メイドの師匠はシズクさんとツララさんと交戦中よ。」
ピンチのなえか達の前で、神から・・・
「神はハイグレ人間に感動したとのことです。胸がなくても色っぽく見えるところが素晴らしいとのことです。」
「え!?ちょっと願いを。」
「・・・メイドさんのハイグレがみたいとのことです。」
巫女の言葉にフブキが慌てる。
「いくらなんでもそれは無理ですぅ!」
慌てるフブキをスルーして、美和と英子が怒る。
「胸がなくて悪かったわね。」
「巫女さんからハイグレ人間にしてやるぅ!!」
英子が巫女さんをめがけて光線銃を放つ。
「ああぁぁぁぁあああ!!」
巫女さんは赤い光に包まれる。そして、光から解放された時には巫女さんはいつもの服ではなく紫のハイグレ人間になっていた。
「巫女さん!」
「・・・神はハイグレを望んでいる。ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
巫女さんは残念ながらハイグレ人間になってしまった。
「そんな。願いは・・・。」
「無理ですね・・・万策尽きました・・・申し訳ありませんなえか様。打つ手なしです。」
フブキはあきらめた感じに言った。
「ちょっと、フブキさん!?あきらめたらだめだよ。」
そんな二人に美和と英子が近づく。
「あきらめていいんだよ、なえか。」
「そうそう、ハイグレ人間にしてあげる。」
「・・・ここまで・・・かな?」
なえかは静かに目を閉じた。しかし、一向に光線が当たらない。不思議に思ったなえかは目をあける。
「コガラシさん!!」
そこにはコガラシがいた。
「主人が助けを求めれば、どこでも現る救世主、それがこの俺メイドガイ。」
「メイドの師匠、そこをどいて。」
「メイドガイフリーズボイス。」
「なっ!?しまった。」
美和と英子の動きが止まった。
「ガイ、そこをどきなさい。」
フリーズボイスをかわした巫女がコガラシの前に来る。
「ん?なんだその格好は。プライドを捨てたか?」
「ガイには関係ありません、神もメイドさんのハイグレがみたいとのことなので、さっさと終わらせましょう。」
巫女は光線銃を構える。
「クククク、見切った。」
コガラシは巫女の一瞬のすきをついて。
「メイドガイフリーズボイス。」
「くっ・・・。」
巫女の動きも止まる。
「クククク、おとなしくしていて貰おう。」
コガラシは巫女と美和と英子をロープで縛る。
「コガラシさん、すごい。」
なえかはコガラシに駆け寄る。
「クククク、当然だご主人。帰るぞご主人。」
「え?帰るって?」
「自宅だ。」
「でも、みんなを元に戻さなくちゃ。」
「巫女がやられたここで願いなど叶わん。」
「じゃあ、どうするのよ。」
「クククク、決着をつける。行くぞ、ドジっ娘メイド。」
コガラシがフブキを呼ぶ。
「私は・・・役に立ちませんから・・・。」
「あ、フブキさん、自分に責任感じてる。」
気を落としているフブキにコガラシは・・・
「ならばここで朽ちろ、ハイグレメイドが。」
ピキッ、何か壊れた音が。
「コガラシさん!!」
フブキは釘バットでコガラシを叩いた。
「ぐばっ。」
「ちょ、フブキさん?」
「私は・・・ドジっ娘メイドなんかじゃ・・・ありませんよね?なえか様?」
フブキの目は普通ではなかった。
「そ、そうですね。フブキさんは敏腕メイドですよ。」
なえかは顔が引きつっていた。
「行きましょう。」
フブキは龍玉神社の出口へ向かった。なえかもついていく。しかし、出口にいたのは・・・
「やぁ、遅かったじゃないか、愛しの胸の君。」
へンドリックだった。
「くっ、へンドリックさん。」
「逃げ場はないよ。」
へンドリックがなえかに近づこうとした瞬間。
「怪傑いちご仮面、参上。」
へンドリックに向かって、茂みからいちご仮面が現れた。
「ふふふふ、よんでいたよ、いちご仮面。」
へンドリックはいちご仮面のキックをかわす。
「そんな。」
驚くいちご仮面にへンドリックは光線銃を発射。
「きゃあああぁぁぁああ!」
いちご仮面は赤い光に包まれる。そして、仮面をつけたまま、白いハイグレ姿になってしまった。
「はははは、似合っているよ、いちご仮面。」
「これは・・・私までハイグレになってしまうなんて・・・。」
「リズ、じゃなくて、いちご仮面までハイグレ人間にされちゃったの?」
いちご仮面は苦しそうだ。
「うっ、だ・・め・・・ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
いちご仮面はハイグレ人間になってしまった。
「さぁ、次は君たちだよ。」
へンドリックはなえか達の方を向くが誰もいない。
「たぁ!」
なえかは竹刀でへンドリックを叩いた。
「オウシット!」
へンドリックは倒れた。
「よくもやったわね。」
いちご仮面がなえかに向かってくる。
「ごめんなさいっ!」
フブキがいちご仮面を気絶させる。
「フブキさん!」
「帰りましょう、なえか様。」
なえかとフブキが帰ろうとするとコガラシがやってきた。
「待ちな、ご主人。」
「コガラシさん。」
「帰るのならば、この俺が。」
コガラシはなえかを持ち上げる。
「ちょ、下ろしなさい。」
なえかは暴れる。
「コガラシさん、なえか様が嫌がっています。」
「黙れ、鈍速メイド。」
「なっ!」
「ぐがああああ!」
コガラシの悲鳴が響いた。

そして、なんとか家に着いた、なえか、フブキ、コガラシ。
「コガラシさん、どうするつもりなの?」
「学校だ。」
「「学校?」」
なえかとフブキは不思議がる。
「学校にハイグレ魔王がいるはずだ。」
「!ハイグレ魔王・・・。」
「行くぞご主人。」
なえかとフブキとコガラシは学校へと急いだ。

コガラシの戦いっぷりに、ハイグレ人間を蹴散らした。そして、学校。
「ハイグレ魔王はどこに。」
「クククク、屋上に決まっている。」
3人は屋上へ・・・
「ハイグレ魔王!」
屋上にはハイグレ魔王がいた。
「あら?この前のメイドガイさん、無事だったの?」
「クククク、メイドガイはそう簡単には終わらん。」
「ふーん、まぁいいわ、どうせハイグレ人間になるんだし。」
「そうはいかない。美和と英子の仇!」
なえかはハイグレ魔王に竹刀片手に向かっていく。
「無駄よ。」
ハイグレ魔王のバリアでなえかは吹っ飛ばされる。
「くうぅぅうう。」
何とか立ち上がるなえか。
「ご主人は休んでいろ。」
コガラシがハイグレ魔王へ向かう。
「メイドガイタイフーン。」
「ぜんぜん効かないわぁ。すきだらけね。」
ハイグレ魔王が指先から光線を放つ。しかし、狙われたのはコガラシではなく・・・
「わ、私!?」
なえかだった。
「なえか様ーーー!」
フブキがなえかを助けるが、代わりにフブキが赤い光に包まれる。
「きゃああぁぁああ!!」
光から解放された、フブキはいつものメイド服からピンクのハイグレ人間になっていた。
「フブキさん!」
「い、嫌、なんなんですか、この水着。恥ずかしいです。」
顔を赤くするフブキにハイグレ魔王が言う。
「あなたは立派なハイグレ人間になったのよ、さぁ、本能に従いなさい。」
「む、ドジっ娘メイド。」
コガラシがフブキのもとへ向かおうとするが・・・
「あなたの相手はあ・た・し。」
ハイグレ魔王がコガラシの行く手を阻む。
「フブキさん、負けちゃダメ、頑張って。」
「は、はい、なえか様、くっ。」
フブキは下半身をもじもじさせている。
「・・・は、はいぐ、嫌・・・。」
露出の多い服を嫌うフブキにとってハイグレは悪夢だった。
「もう無理です。」
「フブキさん、ダメ、あきらめないで。」
「申し訳あり・・ません・・・ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
フブキは胸を揺らしながら恥ずかしそうに、悔しそうにハイグレポーズをとる。
「やめて、フブキさん。」
「ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
フブキはハイグレをやめられなくなっていた。
「許さない、覚悟しなさい、ハイグレ魔王!!」
なえかは竹刀を握りしめ、ハイグレ魔王へ向かっていく。
「おほほほ、無駄よ。」
なえかは再び吹っ飛ばされる。
「ご主人!」
コガラシはなえかに駆け寄る。
「フブキさんが、つらそう。だから、くやしい。」
「なえか様、違いますわ。」
ハイグレ姿のフブキがなえかに近寄る。
「ふ、フブキさん・・・。」
「私はつらくなんてありません。ハイグレ魔王様に感謝しています。ハイグレがこんなに気持ちいいことだと教えて下さったのです。」
「目を覚ましてよ、フブキさん。」
「これが本当の私です。ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
フブキはうっとりとした表情でハイグレポーズをとる。
「そんな・・・。」
「そこのハイグレ人間。」
ハイグレ魔王がフブキを呼ぶ。
「何でしょうか?ハイグレ魔王様。ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
フブキは尊敬のまなざしでハイグレ魔王へハイグレポーズをとる。
「そちらの女の子もハイグレ人間にしてあげて。」
ハイグレ魔王はなえかを指さす。
「はい、お任せください、ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
フブキは光線銃を取り出す。
「や、やめて、フブキさん。」
「そうはさせん。」
コガラシがフブキに向かう。
「邪魔です。」
「ぎゃあああ!」
コガラシはフブキの釘バットで・・・
「なえか様は何色のハイグレ人間になりますかね。」
「嫌よ、ハイグレ人間なんて・・・。」
「苦しいのは一瞬です。あとは快楽。」
「いやああぁぁああ!」
なえかは赤い光に包まれる。
「うぅ、胴衣がハイレグ水着になっていく、し、締め付けられる・・・。」
なえかは赤いハイグレ人間になってしまった。
「似合っていますよ、なえか様。」
「・・・・・。」
なえかは黙り込む。
「さぁ、本能の思うままに。」
「・・・・・。」
「あらぁ?まだ抵抗しているの?あなた、お手本を見せてあげなさい。」
「仰せのままに。ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
フブキはハイグレ魔王に言われた通り、堂々とハイグレポーズをとる。
「・・・・・。」
黙り込むなえか、しかし、下半身はもじもじし始めた。
「なえか様、自由になりましょう。」
「ポーズをとりなさい。」
「みんな・・・ごめん・・・・ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
なえかは楽しそうにハイグレポーズをとった。
「ご主人!!」
コガラシがなえかに駆け寄る。
「どうしたの、コガラシさん?」
「むっ、いいのかご主人、ハイグレは嫌だったのでは?」
「コガラシさん、何言ってんの?ハイグレはすごく気持ちいいんだよ。」
「どうするのかしら、メイドガイさん?」
ハイグレ魔王が余裕の笑みでコガラシを見る。
「ふん、決まっている、ご主人がハイグレ人間でいたいのなら邪魔はせん。」
「あっ、そう、じゃあ2人とも、メイドガイさんを捕えなさい。」
なえかとフブキがコガラシを囲む。
「む?なんのつもりだ?」
「コガラシさん、悪いけどハイグレ魔王様の命令だからね。」
「覚悟してください、コガラシさん。」
「ふん、このメイドガイは己の役目を果たすのみ。」
コガラシは飛んで行った。
「あら、メイドガイさん飛べたのね。」
「ハイグレッ!私たちはどうすればいいでしょう。」
「そうねぇ、この街の支配は終わったから、もっと支配地域を増やしましょう。あなたたちにも協力してもらうわ。」
「「ハイグレッ!ハイグレッ!了解です。ハイグレッ!」」
なえかとフブキはハイグレ魔王に忠誠を誓っていた。



あの日から1ヶ月・・・
なえかは目覚まし時計で目を覚ます。
「ふわぁ、もう朝か・・・。」
「なえか様、朝食です。」
ピンクのハイグレ姿のフブキが胸を揺らしながら走ってきた。
「はーい。」
なえかは赤いハイグレ姿で1階に向かった。
「フブキさん、聞いた?ハイグレ魔王様が日本をほぼ制圧って話。」
「当然です。ハイグレ魔王様の活躍ですね。」
「私たちだって頑張ったもん。」
「そうですね。でも、ハイグレ魔王様こそ一番尊いお方。」
「もちろん、ハイグレ魔王様最高、ハイグレッ!」
「ハイグレッ!ハイグレッ!」
なえかとフブキはハイグレ魔王への忠誠の心をいついかなる時も忘れない立派なハイグレ人間となって、ハイグレ人間の間でも有名になった。
「今日も一日ハイグレ魔王様のため頑張りましょう。ハイグレッ!」
「ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
そんな2人を窓の外から見る者が。コガラシだ。
「うむ、今日もご主人は元気そうだ。ご主人がどんな者になろうが御奉仕の心を忘れない、それがこの俺メイドガイ。」
コガラシは今日も明日も明後日もハイグレ人間なえかを見守る。


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2010年02月13日(土) 22時47分30秒 公開
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■作者からのメッセージ
仮面のメイドガイのハイグレSSです。
何とか完結です。
少しリメイクしました。
最後、はしょりすぎたんで・・・
本当に完です。
(TV版の仮面のメイドガイと思っていただいた方が助かります。)