征服の終わったハイグレ世界〜高校編〜 |
「はぁはぁはぁ・・・・」 とある町で1人の少女が走っている。 「はぁはぁはぁ・・逃げなきゃ!逃げなきゃ!!」 少女は曲がり角を曲がった。 「しまった!」 しかしそこは行き止まりだった。 「嫌だ・・・」 少女は逃げてきた方を見た。 そこには頭からパンストを被り宙を飛ぶオマルのような乗り物に乗った異様な者がいた。 パンスト兵である。 「嫌だ・・・あんなのになるなんて!!」 少女は叫んだ。 しかしそんなことはお構いなしにパンスト兵は持っていた銃で彼女を撃った。 「いやあああああああああ!!!!!」 彼女の体が赤と青の光に包まれている。 一体これはなんなのか!? 「う・・・ハ・・イグレ・・ハイグレ・・ハイグレ!」 彼女は赤いハイレグ水着姿になりコマネチをしている。 面食らったのも無理はない。 事の始まりは1年前にさかのぼる。 「オ〜ホッホッホッホ!みんなハイグレ姿にしておしまい!」 ハイグレ星の支配者ハイグレ魔王である。 ある日魔王が降臨しすべてを蹂躙し、人々をハイグレ人間にしていった。 瞬く間に世界を侵略し、先ほどハイグレ人間になった少女が最後の「人間」であった。 こうして地球は完全にハイグレ魔王の支配されてしまった。 ハイグレ化の済んだ地球のある高校・・・ もちろん普通に授業が行われている。全員ハイグレ人間であるが。 「今日の授業はここまで・・・ハ・・ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」 「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」 教師も生徒も顔を赤らめている。 理由は簡単である。 ハイグレ人間になっても羞恥心や元の性格は残っているからだ。 元の性格は残っていても「魔王様に絶対服従」や「挨拶はハイグレ」などといったハイグレ人間の 基本はインプットされているのだ。 つまり恥ずかしくてもハイグレをしなければならないのだ。 「ふぅ・・・やっと休み時間か」 「おい!ヨシキ!どう思うよ?」 このクラスの男子のユウとヨシキである。 「んぁ?なにがだよ?」 「女子たちのハイグレ姿だよ。もう股間とか尻とかエロ過ぎだっての!」 「おい!声がデカイ!女子たちに聞こえるだろ」 「わりぃ、でもやっぱいいよな〜」 「俺はそこまで・・・」 「あれ?ユウく〜ん?そんなこといってその股間の山はなにかな〜??」 「んだよ!?あんなん見せられると・・・立っちまうだろうが。だいたいお前だって」 ユウはヨシキの股間を指差した。 「これは男子が健康な証しだ!」 「そうかよ・・・」 「まったく女子がみんなハイグレ姿なんてハイグレ魔王様さまさまだぜ。まぁ俺達男もハイグレ姿ってのが残念だ」 「そうだよな・・・こんな女物の水着着るなんてな」 といったような内容の会話が教室のいろんな所から聞こえてくる。 一方女子はというと 「ねぇ、見たヨシキの奴!フル勃起だったじゃんアイツ!」 いつも女子のハイグレを見て昂奮してる男子に怒る子もいる。 「もう嫌だよ・・・こんなこと」 泣きそうの子もいる。 「でも仕方無いじゃん。人間負けちゃったんだし。でも男子達が私たちを見て昂奮するなんて・・・快感」 ハイグレ人間として割り切った子もいる。 「はぁ・・・お股とか乳首擦れて気持ちいい・・・ハイグレ気持ちいいよぉ・・ハイグレ!ハイグレ!」 彼女のように心までハイグレに染まってしまった子もいる。 そんな彼女を周りの女子はあわれむように見ている。 ・ ・ ・ ・ 時間は過ぎ放課後・・・ 「ユウ帰ろう?」 先ほどの男子ユウに1人の女子が話しかけた。 「おう、ヒロミか」 彼女の名前はヒロミ。ハイグレ人間になるまえからのユウの恋人である。 二人は下駄箱で靴に履き替え、帰路についた。 「ねぇ?ユウ・・・今日他の子のハイグレ見てたでしょ?」 「え!?いや別に・・・」 言葉を濁らすユウ。しかし強気なヒロミには通用しなかった。 「あれだけ言ったじゃん!?私だけを見てって!」 「す・・すまん」 軽く頭を下げるユウ。 「ユウが望むなら私・・・・ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」 ヒロミは道の途中でハイグレをした。 「こんなことだってできる!」 ユウは唖然とした。つい最近まで服を着て一緒に楽しく過ごしたヒロミがあんな格好であんなことをしているのだ。 「ヒ・・ヒロミ」 「ほら!ユウ!股間盛り上げてないでやることあるでしょ?ハイグレされたら?」 ハイグレされたらハイグレで返す・・・それがハイグレ人間の大原則である。 「あ・・・ああ・・ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」 「私こんな姿になっちゃったけど・・・私たちの関係は変わらないよね?」 「ああ・・・そうともさ。あれを見て」 ユウは車道の向こうを指差した。 そこには心までハイグレ人間になってしまった人達の群れがある。 「俺はああなっても・・・もちろんヒロミがああなっても・・・ヒロミを好きでい続ける」 「私も・・・」 ユウ達は手を繋ぎ見つめあった。 ハイグレ魔王が言うにはいずれ心までハイグレ染まってしまうらしい。 それでもこの2人は・・・いや世界中の人達はハイグレ化前と同じように暮らしていくだろう。 ただ魔王に服従する下僕になってしまっても・・・ |
Ito-n
2010年07月31日(土) 02時56分40秒 公開 ■この作品の著作権はIto-nさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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