もっとTo LOVEる -とらぶる- 予告編
「ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ! 番組の途中ですが、ここで臨時ニュースをお送りします。たった今、ハイグレ魔王様の宇宙船が到着しました。宇宙船は東京上空で変形し、元国会議事堂の上に無事着陸したとのことです。現場の皆藤アナウンサーと中継が繋がっています。元国会議事堂前の皆藤さん、皆藤さん!」

「ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ! こちら元国会議事堂前の皆藤です! えー、聞こえますでしょうか、この歓声が! のべ1000人以上のハイグレ人間に見守られる中、たった今ハイグレ魔王様の居城が完成いたしました! ご覧下さい、あの魔王様ならではの独創的なデザインを……ああ、なんて素敵なの……し、失礼しました。ただいま入ってきた情報によりますと、ハイグレ城の完成と同時に日本政府はあらゆる権限を魔王様に奉還、本日正午をもって魔王様の指揮の下、洗脳活動が本格的に再開されるとのことです!」

「それは大変喜ばしいことですね。魔王様のお力さえあれば、洗脳活動はすぐにでも完了することでしょう。ところで皆藤さん、魔王様のお姿は確認できましたか?」

「いえ、魔王様のお姿を見た人はまだ誰もいない模様です! つい先程も首相が魔王様のご尊顔を拝見したいと願い出たそうですが、入城さえも了承されなかったそうです! 近いうちに何らかの声明を発表されるとのことですので、その際に顕現される可能性が……あ! ご覧下さい! たった今ハイグレ城上空に6つの白い影が見えました! オマル号です! どうやら搭乗しているのは全員ハイグレ人間のようです!」

「パンスト兵様ではないのですか?」

「はい! 容姿までは確認できませんでしたが、確かにハイグレ人間でした! おそらく、魔王様直々の御下命を賜っているものと思われます! 羨ましい限りです!」

「私も同感ですが、中継に私情を挟まないで下さい皆藤さん」

「も、申し訳ございません! こちらからは以上です! 一旦スタジオにお返しします! ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ!」

「ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ! 以上、現場の皆藤アナウンサーからでした。尚、ハイグレ人間の皆様は、魔王様のご命令にいつでも応えられるよう準備の方をお願いします。そしてこの放送をご覧の未洗脳者の皆様、今すぐ抵抗を止めてパンスト兵様の前に進み出て下さい。以上で臨時ニュースを終わります。引き続き、『劇場版・爆熱少女ハイグレキョーコ炎(フレイム)』をお送りします。ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ!」



 ハイグレ魔王は、玉座に身を収めながらニュースの一部始終をつまらなさそうに眺めていた。玉座の肘掛に付いているボタンを押すと、噴水のスクリーンに映っていた巨大なテレビ画面がぷつんと切れた。それと同時に肘掛に両手を置いて猫のように座っていたピンク色のハイグレ人間が頬を膨らませて横から身を乗り出した。

「もぉ〜、なんで消しちゃうんですか、魔王様! ハイグレキョーコの続き観たかったのにぃ……」

「残念ですが後にしてください、プリンセス。魔王様、召集したハイグレ人間達が到着しました」

「あら、そう。通しなさぁい」

魔王が大儀そうに言うと、金髪のハイグレ人間はゆっくりと鋭い瞳を伏せて、了解の意を示すために自身の纏っている黒色のハイグレ水着の切れ込みに手を当てた。

「ハイグレッ、ハイグレッ、ハイグレッ」

ヤミのハイグレポーズが終わると、玉座の間の下座の床から2つの透明な球体がせり出してきた。床が球体を吐き出し終わると、球体は消え、中からハイグレ水着を身に纏ったハイグレ人間が3人ずつ姿を現した。

「「ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ!」」

6人が阿吽の呼吸でハイグレポーズを取るのを見届けた後、魔王が目を細めながら口を開いた。

「ふふふふ、みんな揃ったようね。ハイグレ人間ユイ、地球征服計画の進行状況を、説明して下さるかしら?」

その言葉を受けて、片側の3人のうちから青色のハイグレを着たハイグレ人間が、その長髪をさらりとなびかせて一歩前に進み出た。

「ハッ。現在、東京の人間はほとんどハイグレ人間への転向を済まし、続いて埼玉・千葉・神奈川の人間達も、ほぼ我々の勢力圏下に収めつつあるといった状況です。魔王様の御帰還、ならびにハイグレ城建立により洗脳部隊の士気も高まっていますので、数日中には、日本中の人間がハイグレ魔王様のしもべとなることでしょう」

「ホッホッホッホ! いいでしょう。ハイグレ人間サキ、日本封鎖作戦の首尾はどうかしら?」

今度は金髪の縦ロールを巻いたハイグレ人間が毅然とした面持ちで前に進み出た。

「御心配には及びませんわ、ハイグレ魔王様。我が天条院グループの総力を尽くし、既に日本全国の主要な交通手段は全て占拠済み……現在は個人レベルで国外への逃亡を試みる未洗脳者の警備に当たらせていますわ」

「あれぇ? でも、日本の周りには私の『もくもくラビリンス君』が作動中だから、警備なんかしなくてもいいんじゃないの?」

ララが横から口を挟むと、魔王はそれもそうだと頷く。

「アタシは未洗脳者の逃げ回る手段を封じなさいとだけ命令したはずよ? ほんとに使えないコねアナタは……ララをもっと見習いなさぁい?」

「ありがとうございます、魔王様♪」

「申し訳ございません、魔王様……」

沙姫は悔しそうに歯噛みしながらララを見据え、後ろへ下がった。両隣りに控えていた凛・綾が小声で慰めの言葉をかけたが、沙姫の耳には届いていないようだ。

「一部を除いて、大変結構よン。さすがアタシの見込んだハイグレ人間だわぁ♪ 洗脳活動の指揮はアタシが引き継ぐから、ハイグレ人間ユイ・ハルナ・リトの3名は新たな指示を出すまでここでゆっくり休んで行きなさぁい。ハイグレ人間サキ・リン・アヤは今すぐ管轄内のハイグレ人間達に新しい仕事をあてがいに行きなさい。これ以上つまらないミスをすれば……わかっているわね?」

笑顔から一転、険しい表情に変わった魔王を見てビクリと反応する3人。綾に至ってはガクガクと膝を震わせていたが、リト達と合わせて了解のハイグレポーズをなんとか取る。

「「ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ!!」」

「あ、そうだわ、ハイグレ人間リト。アナタは後でアタシの寝室に来なさぁい。モチロン、1人でね……オーッホッホッホ!」

「ハ、ハイグレッ、ハイグレッ、ハイグレッ……」


0106
2010年08月29日(日) 00時25分32秒 公開
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■作者からのメッセージ
第2期放送決定&再び連載の吉報を聞きつけて、AIさんに書いてもらってるにも関わらず勝手に続編を書いてしまいました。AIさんの書いている別ストーリーと併せてお楽しみください。

※一括投稿する予定でしたが、諸事情により予告編として一部投稿しておきます。完成までしばらくお待ち下さい。