アクション仮面555

遠くない未来、どこかの国―
全世界は異星人
<ハイグレ星人>によって支配されていた
彼らはハイグレ銃を使い人々をハイグレ人間にしていった
そして、ハイグレ人間になった者もまたハイグレ銃で人間をハイグレ人間にしていった

そんな世界の物語




ここは大都会東京新宿・・・
そこにはハイグレ魔王の住む居城が堂々と立っている。
その居城に忍び込もうとする集団がいた。
彼女らは「人間解放軍」
ハイグレ魔王を倒し世界を取り戻すために日々戦っている。
彼女ら銃で武装し居城の中に忍び込んだ。
「・・・この先だ」
彼女の名前は速水。人間解放軍の中でもある程度人望があり、彼女につき従う者も多い。
周りを警戒しながら進むと一人のハイグレ人間がいた。
速水はそのハイグレ人間に気づかれぬように後ろに近付き口を塞ぎ拘束し、銃を突きつけた。
「騒がない方がいいわよ?ハイグレ魔王はどこにいるのかしら?」
「そ・・・それは・・・」
そのハイグレ人間が言おうとした・・・そのとき
「うおおおお!」
ハイグレ人間が暴れ出し拘束を解いた。
ハイグレ人間は普通の人間より数倍の力を持っているためだ。
「くそ!どいて!!」
速水はハイグレ人間に向けて銃を発砲した。
全然聞いてないようだ。ハイグレ人間は不死身なのか?
いや人間と同じく命に限りはある。しかし普通の人間より遥かに頑丈であり、着ているハイレグが総ての「害」を弾くのだ。
「みんな!やっちまって!」
速水の命令で他の者は銃を連射した。
「そんなこと・・・」
ハイグレ人間は蚊にで刺されたような顔でハイグレ銃を撃ち始めた。
解放軍で者は必死に光線を避ける。だがその中に
「あれ?弾切れ!?弾を補充しないと・・・」
弾切れになった者がいた。ハイグレ人間は「しめた!」と光線を命中させた!
「いやあああああ!!・・・・ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」
彼女は黄色のハイグレ人間になってしまった。
「くっ・・やられた」
速水は焦りだした。
その様子を近くで見ているものがいた。
彼女の名前は「ハイグレディ」 魔王に仕える大幹部の一人だ。
彼女は「そろそろ出るか」という感じで姿を現した。
「はぁ〜い 人間解放軍の皆さんですね?いらっしゃ〜い。突然来るものだからお姉さんビックリしちゃった。
でも大歓迎です!歓迎の印にみなさんをハイグレ人間にしちゃいま〜す」
そう言い終わると彼女の後ろには沢山のハイグレ人間とパンスト兵が並び、ハイグレ銃を構えている。
「うわ〜〜〜〜!!!」
解放軍の一人が錯乱し銃を乱射した。それをきっかけに解放軍の部隊は大混乱。
「ここは・・・引くしかないのか」
速水はハイグレ人間にされた「元」仲間を見つめながら、残った者を連れ城外に脱出した。
しかしそこはハイグレ人間街・・・
周りを見てもハイグレ人間しかいない。
「きゃ!」
解放軍の一人がハイグレ人間にぶつかってしまった。ハイグレ人間は怒った表情で銃を向けた。
「いや・・・たすけてえええ!」
彼女もハイグレ人間になってしまったのは言うまでもない。
そこに一台のバイクが近付いてきた。
そのバイクに乗っている女は解放軍の近くまでくるとバイクからおり、携帯のようなものを取り出した。
「・・・変身!」
そういうと彼女は腰に巻いたベルトに携帯のようなものをはめ込んだ。
すると彼女は強化服のようなものを着用したのだ。
それの名前は「アクション仮面カイザ」
ハイグレ魔王を倒せると言われる「アクションストーン」の力を持ち戦士だ。
そのアクション仮面カイザに変身したのが解放軍の一人「草加雅美」である。
解放軍からするとまさしく英雄と呼べる者である。
逆にそれはハイグレ人間からすれば「天敵」となるのだ。
「ママ〜アクション仮面がきたよ〜!怖いよ〜」
子供がそういうとハイグレ人間達は逃げだした。
人間を超えたハイグレ人間をさらに超えた力を持つアクション仮面。
ハイグレ人間たちは逃げるしかないのだ!
「・・・エクシードチャージ・・・」
彼女はベルトのスイッチを押すと、足が発光し出した。
「速水!どいて!」
「草加!?」
雅美は速水を襲っているハイグレ人間にキックをくらわせた。ハイグレ人間はブッ飛ばされ、ぐったりしてる。
「速水!引くよ!」
「・・・わかっちゃいるよ!」
「あたしが引きつけるから・・・」
「すまんな」
速水はその場を離れ、新宿の街を駆けた。
その途中の街中の巨大スクリーンで先ほどのハイグレディが放送を行っていた。
「は〜い、たった今魔王様の居城が人間解放軍の人達に襲撃されちゃいました〜。でも安心してね?
解放軍の人達もハイグレ人間にしてあげちゃいました〜」
速水はチラッと画面を見ると、さっきまで一緒にいた仲間たちが笑顔でハイグレをしていた。
速水はつい目をそらしてしまう。
「これであとハイグレ人間になってない人達は2433人・・・あともう少しでこの世界はハイグレ魔王様のものになります!みなさんがんばってね!」






廃墟・・・そこはかつて人通りも多く栄えていた街。
今は人間解放軍のアジトになっていた。
「ちょっとぉ・・・・何勝手なことしてるの!?」
魔王の居城から逃げたきた速水が他の解放軍の者に責められていた。
「魔王倒すしかこの世界を救う術はないのよ!!」
「・・・倒すだけの力を持っていたらね」
「ユウカ・・・」
速水は機嫌悪そうにその彼女の方を見た。
彼女は木場ユウカ。この解放軍の中でも最初期から参加している者の1人だ。
「なによ?アタシじゃ魔王は倒せないっていうの?」
「・・・」
ユウカは無言でうなずく
「はぁっ!なに?またアイツのこと考えてるの?いい!?あいつは死んだの!見たでしょ!」
そこの空気が重くなった。
速水が言っているのは1か月前に戦場で敗北した「アクション仮面ファイズ」こと乾イツキのことである。
乾イツキは大量のパンスト兵によって敗北した。
ユウカはそこにいたのだが、死んだのか生きているのかハイグレ人間にされたのかわからないのだ。
「・・・・スープのおかわり・・もらえるかしら?」
戦場から帰ってき食事をしていた雅美が空気も読まずにそう発言した。
「マサちゃん・・・あなた私たちの何倍食べればいいのよ?」
「私はあなた達の何倍も働いているんだから・・・スープぐらい・・」
「う・・・マサちゃん」
この雅美のことを「マサちゃん」と呼ぶ少女は三原シュリ。雅美と共に解放軍に参加してきた少女である。
シュリは気が弱く雅美に頭が上がらないのだ。

ド〜〜〜〜ン!!!
バ〜〜〜ン!!
外から爆音が聞こえる
「大変だ!みんな!魔王軍の襲撃だ!!」
そう言われると雅美、速水をはじめそこにいた者達は戦闘準備をはじめた。
「変身!」
雅美はカイザに変身し、上空のパンスト兵を迎撃していった。
ゴオオオオ・・・・
そこへ聞きなれぬ轟音が響いた。
「あれは!?アクション戦士!?」
それは確かにカイザに似た感じの強化服をまとっていた。しかし劇的に違う点がある。
それはハイグレを着用していた。
「まさか・・・魔王軍の新型!?」
魔王軍の新型と思われるものは雅美の前に着地した。
「あなた・・・いったい何?」
雅美は警戒しながら尋ねた。
「私デスカ?私ハ魔王様ノ下僕。ハイグレ仮面サイガ」
「ハイグレ仮面ですって!?」
「ソウデス。アナタ方ノデータカラ作ラレマシタ」
「つまり摸造品ってことね?」
「パワーヲ甘ク見チャ駄目デスヨ?」
サイガは背中に装備していた武器を構えた。雅美も腰の武器を構えた。
勝負は一瞬で決まる。雅美はそう思った。
「・・・」
「イッツ!ショーターイム!」
二人は同時に地面を蹴り、相手に向かって突進した。
ガキィィィン!!!
「そんな・・・」
雅美が膝をついた。カイザの変身も解けたしまった。
「ツマンナイデス。アナタ弱イデスネ?」
サイガはそう言うと雅美を蹴りあげた。
「クッ・・・」
その衝撃でベルトも飛んでいってしまった。
「サァ・・生マレ変ワルんデスヨ」
サイガはハイグレ光線銃を構えた。
「いや・・・」
雅美は後ろに後ずさる。しかしサイガの撃った光線は雅美に命中した。
「きゃああああああ!!」
雅美は黄色のハイグレ人間になってしまった。
「そんな・・ハイグレ!私が・・ハイグレ!こんな・・ハイグレ!」
雅美は拒絶しながらもハイグレをしていた。
しかし雅美の顔がどんどん赤くなってきた。
「そんな、草加!?」
離れたところで速水が見ていた。
「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ人間マサミ洗脳完了しました!」
「草加がやられた!?一気に不利ね」
「あら?そこで見ているのは速水?」
マサミが速水の方を見た。そしてその手にはハイグレ光線銃が握られていた。
「ほぉら!速水もハイグレ人間になるのよ!」
マサミは速水に光線を撃った。
「きゃああ!!ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」
速水は水色のハイグレ人間になってしまった。


「くそ!草加さんも速水さんもやられたか・・・三原さん!」
アジト近くを死守していたユウカはシュリに手を差し伸べた。
「はぁはぁはぁ・・・ありがとうユウカさん」
「三原さん!みんなここに集めて!バラバラじゃ勝てない。草加さんも速水さんもやられた」
「ふぇ?マサちゃんが?」
シュリには理解できなかった。
「うわああああ!!」
「落ち着いて!三原さん!」
三原だけではない。解放軍の士気はどんどん下がる一方であった。
「まさに絶体絶命ね・・・」
ユウカは覚悟を決めたような表情で言った。


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・


「この音は・・・バイク?」
ユウカはその音に聞き覚えがあった。
「それも普通のバイクじゃない・・・あれは!?」
そのバイクが近付いてきて、その姿を肉眼で確認できた。
「あれは・・・乾さん!?」
そのバイクはユウカの前で止まった。
「なんだかわかんないけど、助けてあげる!!変身!!」
彼女の体が光に包まれた。
ユウカは眩しくて、目を閉じた。目を開けるとそこには・・・
それはカイザと同じくアクション戦士・・・
この世界の救世主・・・
アクション仮面ファイズ!!
「さぁ・・来なさい!!」
ファイズは構えをとり戦闘態勢に入った。









第2話「家にかえるんだ!!」
これまでのアックション仮面555は・・・・



「騒がない方がいいわよ?ハイグレ魔王はどこにいるのかしら?」

「魔王倒すしかこの世界を救う術はないのよ!!」

「・・・・スープのおかわり・・もらえるかしら?」

「大変だ!みんな!魔王軍の襲撃だ!!」

「まさに絶体絶命ね・・・」

「なんだかわかんないけど、助けてあげる!!変身!!」

「さぁ・・来なさい!!」




「アナタ?ファイズですか?生キテタ?」
サイガは驚きを隠せずにいた。
「ちょっと・・・木場っち?どういうことなのよ?」
「草加さんもやられちゃって・・・」
「・・・打つ手なしってとこか」
「ファイズ・・・撃退!」
サイガが背中のバーニアを噴かせ、突撃してきた。
「ちょ・・・話はあとね!木場っち下がってて!」
ファイズはサイガの突撃を受け止めながら言った。
「ウケトメタ!?」
「伊達にアクション戦士やってるワケじゃないのよ?」

ガッ!

ファイズはお返しと言わんばかりに蹴りをお見舞いした。
「さて・・・きめるか・・・」
ファイズは中腰の構えをとった。

エクシードチャージ

「は!!」
ファイズは飛び上がりサイガを捉えた。
「はあああああああああああああああ!!!!!」

ガガガガガガガガガ!!!!

ファイズの必殺のキックがサイガに命中した。
「っと・・・」
「ファイズ・・・許サナイ!!」
「え?生きてる!?」
サイガはボロボロになりながらも立ちあがった。
「ダガ・・・今日ハ無理・・・引ク・・」
サイガは残ったエネルギーで飛び去った。
それに続きパンスト兵達やハイグレ人間達も退却していった。

「・・・引いてくれたか・・・木場っち大丈夫?」
「乾さん・・・生きているって信じていました」
「まぁ・・・いろいろあってね」
ファイズは変身を解いた。
「これまで何があったか説明してくれる?」
「・・・うん」





「なるほど、アタシがいない間に魔王軍がそんなに勢力を伸ばしていたなんて」
アジトの一室でユウカは最近の戦況をファイズ・・・乾イツキに話していた。
「で今回の襲撃で草加もやられたってわけね」
「・・・・うん」

「もう嫌だよ」

そこにシュリが入ってきた。
「もう嫌だよ・・・」
「三原さん・・・気を落とさないで」
「もう嫌!!ハイグレ魔王とか関係ない!私は家に帰りたい・・・」
「でも魔王倒さんといかんでしょ?」
イツキがきつく言った。
「私は・・・私は・・・・家に帰るんだ!!!」





ダダダ!

シュリは部屋を飛び出し、アジトから出ていった。
「三原さん!!」
ユウカは連れ戻そうとする。
「ほっとけば?あんな娘今後生きていけるかわかんないし」
「乾さん!?」
ユウカは少し怒っているようだ。
「それより飯にしてくれない?お腹すいちゃってね」
「・・・・今時夫婦でもそんなこと言いませんよ?」
ユウカはそういうと部屋から出て行った。

シュリは走っていた・・・・焼の原になった街を

「もういや・・・マサちゃんまで」
シュリと雅美は子供のときからの付き合いだった。
彼女にとって昔からの知人で唯一の未洗脳者だった。
「マサちゃん・・・・」


「なにか言ったかな〜?」

「ウェ?」

シュリは声のした方を見た。
そこには・・・

「マサちゃん?」
そこには草加雅美が・・・・いた
しかしそのカラダにはハイレグを装着している。

「気にいらないのよね・・・ハイグレじゃない奴は全て!!」
そういうと雅美の背後から数体のパンスト兵が現れた。
「マサちゃん?私も・・・洗脳しちゃうの?」
「感謝してしてほしいわね・・昔のよしみで洗脳してやるんだから」
雅美は洗脳銃を構えた。

「そっか・・・私も・・マサちゃんと同じになるんだ・・」
シュリは人間であること諦めた・・・・


「諦めるな!!」

エクシードチャージ

ガッ!

ドドドド!

「っく!?一体なにかなぁ〜?」
雅美は後ろを見るとパンスト兵が数体倒されていた。
そしてそこには・・・カイザに似ている・・・アクション戦士が
「君・・・なんてことを・・一体誰かな〜!?」

「デルタ・・・アクション仮面デルタ!」
「デルタ!?」
雅美も知らないアクション戦士だった。

「君大丈夫か?」
デルタはシュリに駆け寄った。
「後はまかせろ!」

ガッ!

デルタは次々とパンスト兵を倒していく。

「生意気な奴ね〜?」
雅美がデルタに洗脳銃を構えた。

「あっ・・・危ない!!」
シュリが叫んだ・・・だが遅かった。

「何!!!???」

バシュ〜〜〜!!!

「うわ〜〜〜〜〜!!」
洗脳銃に命中してしまった。

光が収まるとそこには20代ぐらいの男がハイレグ姿でたっていた。
デルタの変身も解け、変身ベルトもシュリの近くまで飛ばされていた。

「くっ・・・俺としたことが・・・ハイグレ!」

「まったく手間掛けさせないでよね?」
雅美は怒り心頭だった。

「ハイグレ!・・・おい・・そこの人間・・・ハイグレ!」

「ウェ!?」
デルタだった男はシュリに話かけた。

「お・・俺はもうすぐハイグレ人間になってしまう・・ハイグレ!・・だから!そのベルトで変身して戦え!!」
「そ・・・そんな・・私には無理・・」
「戦え!!戦わなければ生き残れない!!・・ハイグレ!!早くしろ!!ベルトを着けろ!!」

「私は・・・家に・・・私は・・・」
シュリは目の前の男を見た。やっぱりあんなのは嫌だ・・と思った。
「嫌だ・・・戦う?・・・世界を元に戻すために・・・そして家に帰るんだ・・」


「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」
デルタだった彼も完全にハイグレ人間になってしまった。

「さて・・・さっさと三原を洗脳して・・・」
雅美が三原の方を見ると
「君〜?何の真似かな?」
シュリがデルタのベルトを装着していた。

「私がマサちゃんを・・・みんなを戻す!・・・変身!!」

コンプリート!

そう電子音が流れるとシュリはアクション仮面デルタに変身していた。
「はああああああ!!!」

ドッ!

ガッ!

シュリは雅美を無視するかのように残りのパンスト兵を全滅させた。
「三原・・・・なんてこと・・・」

「マサちゃん・・・」

「三原ぁ!?憶えておきなさい!!」
雅美は側に倒れているオマル号に乗って去っていった。
「マサちゃん・・・必ず!」
三原は決意した表情でアジトに戻っていった。







第3話「カイザのベルト」
これまでのアクション仮面555は・・・・




「アナタ?ファイズですか?生キテタ?」

「伊達にアクション戦士やってるワケじゃないのよ?」

「それより飯にしてくれない?お腹すいちゃってね」

「私がマサちゃんを・・・みんなを戻す!・・・変身!!」

「三原ぁ!?憶えておきなさい!!」



カッカッカッカ・・・
ここはハイグレ魔王軍の基地のひとつ。
デルタから逃げ帰ってきた雅美が歩いている。
そこへ・・・

「マサミ〜?無様ネ」
金色の髪を持ったハイグレ人間が話しかけた
「っちっ・・・レオナ」
彼女の名前はレオナ
ハイグレ仮面サイガに変身するハイグレ人間である。

「セッカク、パンスト兵マデ貸シタノニ・・・」
「こ・・・これは」

雅美はレオナにデルタの事を説明した
「フーン・・・新シイアクション戦士カ・・ソレデ逃ゲテキタッテワケ?」
「そ・・・そうです」
雅美は俯きながら言った。

「マサミ弱イ。カイザノ時ノホウガ強カッタ」
「なんだって!?」
流石に雅美もキレた。ハイグレ人間になる前の方が強かったなんて言われたからだ。


「ソレトモ・・・カイザノチカラヲウシナッタカラ?」


雅美はハイグレ人間になった時にカイザのベルトを放り投げたのだ。
「こんなものは・・・もういらないなぁ」と言い。

「だってハイグレ人間になってあんなのもういらないし」


「ダッタラ私ト同ジチカラ手ニ入レタクナイ?」
レオナが笑顔で言った。

「なんだって!?それは本当かい!?」

レオナは雅美を連れて基地の奥へ向かった。








「どうした?木場っち?」
「いや・・・三原さんのことが気になって」
解放軍のアジトの一室でユウカとイツキが話をしていた。

「何?私が悪かったって言うの?」
「いや・・乾さんの言い分もあると思うけど・・」
「そんなことより・・これからだな」
「これから?」
「魔王倒すんでしょ?でも私一人じゃ無理ね・・・」
「他の解放軍にも協力を求めてみますか?」
解放軍はここだけではない。少数だが様々なところで戦っている。

「そうしておくのが妥当でしょ。正直言って少数がただゲリラ的に戦って勝てる見込みは無いわね」
「そうですね・・・」


ヒュ〜〜〜〜ン・・・・ガ〜〜〜〜ン!!

会話を遮るように爆音がする
「なに!?」
そこへ見張りをしていた男が入ってくる
「木場さん!乾さん!また魔王軍の襲撃だ!!」
「なぁ・・木場っち?あとアジトの場所変えない?」
「私もそう思ってました。・・・・とにかくここを凌ぎましょう。新しいアジトについてはそれからです」

外に出るとオマルにのったパンスト兵がそこらじゅうにいた。
「この前のアクション戦士もどきはいないみたいね・・・」
この襲撃部隊を指揮しているのはサイガではなかった。
そのかわり・・・・

「ガ〜ハッハッハッハ!!いいぞパンスト兵ども!」
いかにも品の悪そうな男が指揮していた。

「アイツは!!」
「知っているの?木場っち?」
「アイツはハイグレ魔王の直属の部下Tバック男爵!冷酷非情なるホモなんです!」
「ホ・・ホモなの?」
「・・・みたいです」
「まぁ・・いいや。変身!!」
イツキはベルトを巻き変身体制に入っていた。

コンプリート

電子音とともにアクション仮面ファイズが姿を現す
「さて・・行くわよ!!ホモ野郎!」
「貴様はアクション仮面ファイズ!?飛んで火にいるなんとやらだな」
ファイズがTバック男爵に突っ込んでいく。






乾さんはTバックの相手で手いっぱいみたい」
ユウカは残り少ない解放軍を指揮していた。
「みなさん!バラバラじゃだめです。まとまって集中砲火を」
ユウカの指示で着実にパンスト兵が減っていく。

「木場さん!非戦闘員の人達の避難完了しました」
「そう、ありがとう」
ここ解放軍のアジトは非戦闘員のキャンプも隣接していた。
解放軍はいつもこのキャンプの人達を守りながら戦っていたのだ。
「って・・まだ逃げ残りが!?」
木場の向く方に2人の少女達が逃げ回っていた。

「ほら!カズノ!立って!」
「うぇ〜ん・・サクラお姉ちゃ〜ん」

「あの娘達は!?」
その2人はユウカが世話をしている少女たちだった。
「副長、ここはまかせます!」
「ちょ・・木場さん!?」
ユウカは2人の少女の所へ走った。

バシュ〜〜〜!!
「きゃあああああ!!」
姉のほうのサクラに光線が命中した。
「うぇ?」
「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」
サクラは赤いハイレグを着たハイグレ人間になってしまった。
「うぇ?サクラ姉?ナズェハイグレシテルノ?」
「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」
サクラはハイグレを続ける
「・・・ホントにハイグレになっちゃったの!?」
カズノは泣きながら言った。
しかしサクラの洗脳は完了しカズノの洗脳銃を構える。


「カズノちゃん!!」
そこへユウカがカズノを抱えて逃げ出す。
「うぇ?ユウカさん?・・お姉ちゃんが・・サクラ姉が」
「必ず元に戻してあげるからね?泣かないで?」
「・・ユウカさん・・うん・・絶対だからね!?」
「わかってるわ」

ガッガッガ・・・

そこに通信が入る
「木場さん!そちらににも敵が流れた!」
「しまった!」
気づけばパンスト兵に囲まれていた。

「今サクラちゃんを元に戻すとか言いながらカズノちゃんまで守れないなんて・・」
ユウカは俯いた。




あれ?なんだろう?




瓦礫に何か埋もれてる・・・




ガラ・・ガラ・・



ユウカは瓦礫を掘り返した。そこにあったのは・・・
「これは・・・カイザのベルト!?」
ハイグレ人間になった雅美が放り投げたカイザのベルトであった。
「こうなったら私が・・・」
ユウカはベルトを巻き、
「変身!!」

コンプリート

そこには再びハイグレ魔王に挑むアクション仮面カイザがいた



「変身できた!よ〜し!カズノちゃん下がってて!」







「ガ〜ハッハッハ!ファイズ!その程度か!?」
「っく・・・強い・・」
ファイズは多少押されていて。

ド〜ン!

ガ〜ン!

「なんだ?」
Tバックは爆発音のする方を見た。
「なんだ〜!?パンスト兵達が!!」
パンスト兵達が何者かに倒されていっている。

「一体何?」
イツキも不思議がっていた。
今の解放軍にそんな力はないと思っていた。

「バ・・バカな!?全滅だと!?」
30はいたパンスト兵がものの数分で全滅したのだ。

「あれは・・・カイザ?一体誰が?」
イツキは驚いていた。


シュタ!

「大丈夫ですか?乾さん」
「その声・・・木場っち?」
ユウカはイツキに肩をかした。

「くそ!パンスト兵全滅にアクション戦士が2人もだと!?分が悪い・・・悪すぎる!!」
Tバックは弱気になっている。
「撤退だ!!撤退!!!」
Tバックをついお仕置きのことを忘れ逃げ帰った。


「木場っち・・それどうしたの?」
「落ちてました。たぶん草加さんが捨てたんでしょう?」
「それよりアナタ初めて変身したのよね?滅茶苦茶強いじゃない?」
「え?そうかな〜?まぁ鍛えてますから!」



「お〜〜〜い!!!木場さ〜ん!乾さ〜ん!」
イツキとユウカのもとへ走ってくる人はいる。

「見慣れない人ね」
「アクション戦士みたいですけど・・・見たことないですね」
2人は首を傾げた。

「もう、アジトが襲撃されてるみたいなんで急いで帰ってきたよ!」
イツキたち2人は少し驚いた。
「その声あなた・・三原さん!?」
「あなたそれどうしたのよ!?」

「私も戦います!マサちゃんを・・みんなを元に戻すために!」
シュリはそう宣言した。
「なんか・・すごい変わったわね?」
「私も少し驚きました・・・」



「おい!アクション戦士が3人・・これって」
「ああ!勝てるかも!魔王に!」
「いや!!絶対勝てる!」
「ヤッタ〜〜〜!!俺達の希望の星だ!!」
アクション戦士が3人になったことで解放軍がこれまでになく士気があがったのであった。






第4話「危機」
これまでのアクション仮面555は・・・・




「マサミ弱イ。カイザノ時ノホウガ強カッタ」

「ダッタラ私ト同ジチカラ手ニ入レタクナイ?」

「さて・・行くわよ!!ホモ野郎!」

「変身!!」

「おい!アクション戦士が3人・・」




エクシードチャージ
「とぉぉぉぉりゃあああああああ!!!」
ドーン!!

ファイズ、カイザ、デルタを得た解放軍は破竹の勢いで魔王軍を撃退していった。
「もう俺達に敵はないぜ!」
「勝つのは私たち人間よ!」
そして解放軍の士気は上がる一方だった。

「はぁぁぁぁぁ!!・・・後詰の部隊のみなさんおねがいします」
ガガガガガガ!!!
通常弾でもパンスト兵は倒せた。しかし今までは数的に不利だった。
だが今は三人のアクション戦士のおかげで数の問題も解消していた。


そんなアクション戦士率いる解放軍の戦いを遠くから見る青年がいた。
「アクション仮面ファイズ・・・・この世界を守るアクション戦士か・・」
その青年は他の解放軍同様ゲリラ風の格好をしていたが戦いには参加していなかった。

「アクションストーンから発せられるアクションビームのエネルギーをスーツ全身に流し、装着者の身体能力を上げる。」
青年は懐からカメラを取り出した。
「必殺技の時にはそのエネルギーを一気に放出するか・・・よく出来てやがる」
カシャ・・
青年はカメラのシャッターをきる。

「アクションストーン・・・・この世界に眠るお宝だね」
そこに別の青年が現れ笑顔でそう言った。

「なんだお前もこの世界に来ていたのか?」

「そうさ!士あるところに僕ありさ」

「海東・・・勝手にしろ!」

そういうとカメラを持った青年はその場を離れた。
「まったく・・・つれないねぇ」

もう一人の青年もその後を追った。






エクシードチャージ

ドーン!!!

「ふぅ・・・あらかたケリがつきましたね」

「じゃあ生存者をさっさと保護しましょ」

今回の戦いはこの地域に残る生存者を保護する戦いでもあった。

「みなさ〜ん!!もう安心してくださいね〜!」
シュリは生存者を見つけ誘導をおこなっていた。

「あれは・・ユカさん!?」

「え?木場さん?」

ユウカは一人の女性に近付いた。その女性はユカといい、ユウカの友人だった。

「ユカさん・・・よく無事で」

「木場さんのほうも・・」

「・・・ナオコは?彼女は一緒じゃないの?」

「ナオコさんは・・・ハイグレ光線を浴びてハイグレに・・・」

「そんな・・・ナオコまで・・・」

「私達全員ああなっちゃうんですか!?」

「いや!そんなことさせないわ!もう安心してください! 
 あなた達生存者全員わたし達のアジトに案内します!」

ユウカがそう言うと生存者の人達は苦悩から解放されたように喜んだ。






場所は移り解放軍アジト
先ほどの生存者の受け入れが完了していた。

「へぇ・・・ここが・・」
ユウカの友人ユカは周りを見渡した。

「ねぇ・・木場っち?例の件はどうなったの?」

イツキはいつになく真剣な顔でユウカに尋ねた。

「一斉攻撃の件ですね?はい、他の解放軍のリーダーも快諾してくれました」

解放軍は彼らだけではない。他の地域で戦う者達がいた。

「それで日にちは?」

「明後日です」

「よ〜し!!決戦準備だ!!」
「弾薬全部持ってこい」
「出し惜しみはしない!全部だ!全部!」

解放軍の者達が各々に一斉攻撃への準備を始めた。








魔王の居城の一室 魔王の玉座
そこにはハイグレ魔王が君臨していた。

「みんな・・・揃ってる?」

「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」
ファイズ達から逃げ帰り、お仕置きをうけ傷ついたTバック男爵が現れた。

「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」
サイガの変身を解いたレオナがTバックとは違う扉より現れた。

「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」
肌の色が水色の3人組の女性も現れた。

5人は魔王の前にひざまづいた。
魔王は重く口を開いた。
「進行状況はどうなってる?」

「はっ!あと数週間もあればこの星の人間の転向を済ませることができます」
3人組のうちの1人が言った。

「そうそう。それは楽しみね レオナ?例のベルトの件はどうなってる?」
「ハイ。アルハイグレ人間ガ適応デキルヨウニ訓練ヲ行ッテマス」

「そう・・・それも楽しみね。それよりも!!Tバック!!オリジナルのアクションストーンはどうなってるの!?」

「ま・・魔王様!!待ってくれ!必ず!必ず!探し出してみせる!」
「そのセリフ聞き飽きたわ」

「フフフ・・・」
3人組が笑いだした。
「魔王様・・その件について我々が解決してみせます!ハラマキレディースにお任せあれ」

「ほう・・ならパンスト兵をつれて出撃なさい!!」












「オリジナルのアクションストーン?」
イツキがユウカに尋ねた。
「はい、このアジトに隠してあるんです」

「それがどうなるんですか〜?」
シュリもユウカに尋ねた。

「オリジナルのアクションストーンに適応できる者は初代のアクション仮面と同等の力を得ることができるんです」

「そいつはぁ、すごいな・・・で、どこにあるの?」
イツキは立ちあがって言った。

「こっちです。着いてきてください」

3人はアジトの台所に行った。

「だ・・台所??」

「ここにあるんです」

「木場っち・・頭大丈夫?」

「大丈夫です!!ここ!!ここに隠してあるんですよ・・・ここ・・ここに・・あれ?」

「木場っち?」

「な・・ない!?そんな!?なんで!?」

「ユウカお姉ちゃんどうしたの?」
ユウカが保護していたカズノが怯えながらやってきて聞いた。

「ここにおいたあったアクションストーンがないのよ!? カズノちゃん知らない!?」

「うぇ!?・・・ゴックン!・・飲んじゃった」
カズノはなにか飲み込んだようだった。

「確かにアメに偽装して置いてあったのに!!」

「私知ってる!私知ってる!私知ってる!」
カズノは手をあげて大きな声で聞いた。

「どこどこどこ?」
ユウカ、イツキ、シュリの3人は声を合わせて聞いた。

「私ぃ・・飲んじゃった」

「なんてこと!!」
ユウカは気絶しそうになった。
「はぁ・・・・仕方ないわね。木場っち諦めよ?」

「そ・・・そんな・・・」


ワーオン!ワーオン!ワーオン!
物見からのサイレンが鳴った。

「木場さん!!大変だ!パンスト兵の大群が!!」

「木場さん!私達大丈夫なんですか!?」
ユウカの友人ユカがきてユウカに強く聞いた。

「大丈夫です!私たちアクション戦士が守ってみせます」

「それは安心ですね?それでオリジナルのアクションストーンはどこに?」

「それが・・このカズノちゃんのお腹の中に・・・」
ユウカがカズノを抱き上げて言った。

「ちょっと待って・・・あなたユカって言ったっけ?
 なんであなたがアクションストーンのことを知ってるの!?」
イツキがユウカの前に立ち言った。

「そ・・・それはさっき木場さんから・・」

「私は教えてない・・・」

「あなた最初から怪しいと思っていたのよね!?」

「ククク・・・見破られたのなら・・仕方無いですね!!」
ユカは服を脱いだ。その下にはハイグレを身にまとっていた。

「いかにも私はハラマキレディース様のスパイです!ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」

「そんな・・ユカさん・・」

ユカは腕時計型の通信機を機動させた
「ハラマキレディースさま!ここにオリジナルがあります!制圧をお願いします」

「しまった!」
シュリがユカに飛びつき腕時計を破壊した。

「もう遅いですよ?ここのアジトも陥落するんですよ?」

外から悲鳴が聞こえてきた。

「まさか!?もうやられたの!?」

「やるしかないわね・・・変身!!」

「変身!三原さんカズノちゃんを!ここから脱出します」

「わかった。変身!さぁカズノちゃん」
三原はカズノを抱きかかえた。

「なに?あなたたち私から逃げる気なんですか?」

ドゴ!!

カイザの拳がユカにめり込んだ。

「ごめん・・ユカさん」

「よし!いくわよ!」
イツキがアジトの扉を開けた!

そこは地獄絵図のようだった。
今までの比ではない数のパンスト兵が解放軍、保護した民間人を構わず洗脳していた




第5話「通りすがりの男」
これまでのアクション仮面555は・・・・



「アクションストーン・・・・この世界に眠るお宝だね」

「海東・・・勝手にしろ!」

「魔王様・・その件について我々が解決してみせます!ハラマキレディースにお任せあれ」

「私ぃ・・飲んじゃった」

「ハラマキレディースさま!ここにオリジナルがあります!制圧をお願いします」





「うおおおお!!ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」

「きゃあ!!!ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」

そこは地獄絵図だった。
解放軍、民間人関係なく攻撃されていた。

「くそ!!」

エクシードチャージ

ガガガガガ!!!

ドーン!!

「チッ!キリが無いわね」

イツキ達はアクション戦士に変身しパンスト兵を迎撃していったが、迎撃が間に合わない数だった。

「カズノちゃん大丈夫?」

「うん・・・」
ユウカとシュリはカズノを守りながら戦っていた。守りながらでは効率が悪い。2人はそう思っていた。

「こ・・・このままじゃ・・・負ける」



「おい!こんなところで諦めるな!!それでもアクション戦士か!?」



そこに一人の青年が叫んだ。
青年の手にはなにか機械が握られていた。
「こうなったら・・・・」

その機械を腰にあてるとベルトのように固定された。
さらに青年は一枚のカードを取り出した。

「変身!!」

そのカードをベルトのバックルに挿入した。


KAMEN RIDE DECADE!!


青年は強化服をまとった姿に変身した。

「アクション戦士!?」
イツキもユウカもシュリも驚いていた。

「アクション戦士か・・・ちょっと違うな、俺は仮面ライダーだ。仮面ライダーディケイド」

「仮面ライダー?」
その言葉は始めて聞く単語だった。

「まぁ・・似たようなもんさ・・・んなことはいいから早く逃げろ!ここは俺が」

「なんだか知らないけど助かる!木場っち!三原!」

イツキはユウカとシュリ、そしてカズノもとへ駆け寄った。

「ここはもう駄目だ。とりあえずここを脱出しよう。あとはアタシ達でなんとかするしかない!」

「乾さん・・わかりました」

3人は各々のバイクに乗り、カイザのバイクのサイドカーにカズノを乗せた。

ブオオオオン




「行ったか・・・面倒掛けさせやがって」

ディケイドは手持ちの銃でパンスト兵を撃ち落としていった。

「しかしキリがねぇ!新しい力を試すか」
そういうとカードを取り出しバックルに挿入した。

KAMEN RIDE DOUBLE!

そう電子音がなるとディケイドが別の姿に変化した。
それは半分が緑色でもう半分が黒色だった。

「さらに・・」

ディケイドはもう1枚のカードを挿入した。

FORM RIDE DOUBLE LUNA TRIGGER

今度は黄色と青色の姿になった。

「これなら!はっ!!!」

手持ちの銃から大量の追尾弾が発射された!!

ヒューン
ヒューン
ヒューン

ドーン!!


かなりの数のパンスト兵を撃墜した。

「ふう・・・」

今度は最初のディケイドの姿に戻った。



「なんだか見ない奴がいるわね?」
そこにパンスト兵を指揮していたハラマキレディースが現れた。

「ああ・・・この世界も通り過ぎさせてもらうぜ」

「?何言ってるのあんた?」

「おまえ達になんか付き合ってる暇ないんだよ」

ATTACK RIDE CLOCK UP!


ディケイドは超高速でその場から消えた。

「え!?なんてスピード。追いますか?リーダー?」

「いやいいわ。それよりもオリジナルを探すわよ」

「リーダーさっき洗脳した解放軍から聞き出した情報なんですが・・3台のバイクがここから逃げ出したみたいです」

「そいつらね・・・ここの制圧は完全に終わったようね。そのバイクを追うわよ!」

「ラジャー!!」



「「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」」
解放軍のアジトにいた人間は全員ハイグレ人間になってしまった。
こうして人間解放軍は崩壊した。






ブォオオオオン・・・
三台のバイクが並走し走っている。
ファイズ、カイザ、デルタである。

「木場っち・・・これからどうする?」

「とりあえずカズノちゃんの中からオリジナルを出して・・・魔王の居城に行き魔王を倒しましょう」

「でも木場さん・・私達だけでできるの?」

「三原!腹くくりなさいよ!もう私達しかいないの!」

「うぅ・・乾さんそんな言い方しなくても・・」

「え!?乾さん!三原さん!追手です!」


3人の後方よりオマル号に乗ったハラマキレディースが追ってきた。

「くぅ!このままじゃ追いつかれる!」

しかしその3人の前に1人の青年が立っている。


「まったく・・士。追手いるじゃないか!?しょうがないな!!」

KAMEN RIDE DEENDE!      (すまんディエンドの綴り間違ってるかも)

青年はあのディケイドによく似た姿に変身した。


「あれは!?さっきの・・え〜と・・・ディケイド!?」

「僕はディケイドじゃないさ。ここは僕に任せてくれたまえ!」

「なんだが知らないですけど助かります!」



「リーダー!あそこ!さっきの奴が!」

「ホントね。けど色が違うわね」

「リーダーどうします?」

「無視するわよ!邪魔するなら排除よ!」

「ラジャー!」


「さて・・どうしたもんかな・・そうだ!このカードだ!」

そういうとカードを手持ちの銃に挿入した。

KAMEN RIDE SINOU !


銃から発射された光線の中から現れたのは・・・

「オラ参上!!」

強化服を纏った「あの」幼稚園児だった。

「リーダー別の奴が出てきました!いったいどこから」

「邪魔するようね・・・排除するわよ!」



「さぁ!痛みは一瞬だ・・」
そういうとディエンドは違うカードを銃に挿入した。

「え〜〜!オラ痛いの嫌だぞ〜」

「ちょ、じっとしといてくれるかい?しんのすけくん?」

「もうしょうがないな〜〜痛くしないでね??」
しん王が気持ち悪く言った。

FINAL FORM RIDE SI・SI・SI・SINOU !

銃からでた光線はしん王を直撃した。

「おおおお!変態だぁ!!」

しん王のカラダがどんどん変形していった。

「それをいうなら変形なんだけどね?しんのすけくん後は任せたよ?」

ATTACK RIDE インビジブル!

ディエンドは消えた。



しん王は空を飛ぶゾウのようなマシンに変形していた。
「ここから先は行かせないぞ!オラアクション仮面をお助けするぞ!」



「リーダー!あいつ!」
「どうやら倒さなきゃいけないみたいね」


こうしてしん王三輪車とハラマキレディースの激しい空中戦が始まった。





そのころファイズ達三人は魔王の居城のすぐ近くまで到着していた。
「やっと・・・ここまで来たわね」
「覚悟はいいですか?乾さん三原さん」

3人はついに居城のふもとに到着した。


「グハハハ!よく来たな!アクション戦士ども!」
そこへ下品な叫び声が響く。Tバック男爵である。

「あんたはあの時のホモ野郎」
イツキは呆れながら言った。
「あの時とは違うわ!!今回の俺は前回より22%強くなっているのだ!」

「22%!?」
シュリは驚いている

「そう!22%だ!」
そういうと男爵は乗っていたマシンのレーザーを発射した。

「うわっ!あっぶね!」
3人は散開し攻撃を避けた。

「こんなホモ野郎に時間かけたくないわね。木場っち!三原!ささっと決めるわよ!?」

エクシードチャージ!
エクシードチャージ!
エクシードチャージ!

三人はそれぞれ必殺技の体勢に入った。
そして三人は三方向より男爵に向かって必殺キックをはなった!

ズゴーーーーーン!!!

見事男爵に命中した!
「なんだとおおお!!!」
男爵は乗っていたマシンごと爆死した。



「さて・・・それじゃあ城に入りましょうか」

「お姉ちゃん・・・」
3人についてきたカズノが怖がっている。

「そうでした・・・カズノちゃんからオリジナルを取り出さないと・・」

「木場っち?カズノにはここに隠れててもらおう」
イツキはユウカにそう言った

「え?」

「オリジナルに頼りっきりってのもいけないと思うのよ。この世界を救うのはオリジナル?いや!アタシ達でしょ!?」

「乾さん・・・私もそう思います!木場さん!」

「・・・そうですね。城に入ればカズノちゃんを守りきる自信もないし・・・いい?カズノちゃん?」

「うぇ?私一人?やだよ怖いよ」

「大丈夫!魔王なんてすぐかたずけてくるからさ!カズノ待っててね?」

「・・・・うん、私頑張る」

3人はカズノを比較的安全なところに置き、城に入って行った。




「おかしいですね・・・静か過ぎますね」
「木場っち?こっちであってるのかな道?」
「でも道って一直線ですよ?」

3人は大きな扉につきあたった。
そこは魔王の玉座の間であった。

「ここが・・・玉座?」

だが魔王の姿はない。そのかわりに・・・
「残念デスネ。魔王様ハイマセンヨ?」
ハイグレ仮面サイガが現れた。
そしてその横には
「マサちゃん・・・」
マサミがいた。

「乾くん・・それに三原ぁ・・あんた達まだハイグレになってなかったの?」
マサミが笑いながら言う。そしてサイガやファイズと同じような変身ツールを取り出した。

「変身・・・」


マサミは黒い姿に変身した。

「草加・・その姿は!?」
イツキはマサミに殴りかかった。
しかしマサミは軽々とガードした。
「これこそ・・・帝王のベルトの力・・ハイグレ仮面オーガ!」

「ワタシ達ヲ倒サナイト魔王様ノ所ニハ行ケナイヨ?」


「絶望的ですね・・木場さん?」
「ええ・・・三原さん。 乾さん!先に行ってください!ここは私2人にまかせてください!」

「え!?なにいってんの!?」

「ここで全滅するよりマシです」
「私たちが負けても乾さんだけでも魔王の所へ!」

「わ・・わかったわ!魔王を倒した後また会いましょう!」
イツキは玉座の後ろの階段を駆け上った。
しかしそれをサイガとオーガは無視した。

「追わないんですか?」
「だって魔王様に勝てるわけないじゃないか?」

こうして
サイガ、オーガ、カイザ、デルタの戦いが始まった。





第6話「終末」





「さて・・・三原ぁ?覚悟はできてるよね?」
「マサちゃん・・・」

「フフフ・・・アナタが新シイカイザデスネ?楽シマセテクダサイね?」
「そう簡単にはいきません!」

デルタはオーガとカイザはサイガと対峙している。

「三原ぁ、それに木場ぁ・・・イイことを教えてあげる」
マサミはそう口を開いた。
「フフフ・・・」
それに続きレオナが笑いだした。
「実は・・・あなた達をハイグレ人間にしてあげるのは当然なんだけど・・」
「チョット特殊ナ洗脳方法ヲ試スンデスヨ?」

「特殊な洗脳方法?」
シュリは油断していた

「そう!!こういうね!」
マサミは手の平から光線を発射した。

「え?きゃああああああああ!!」
その光線はシュリに命中した。
というよりデルタのベルトに命中したようにも見える。

シュリは自分の服がハイグレになるのを実感していた。

そ・・そんな私とうとうハイグレになっちゃうの?


光から解放されたシュリはハイグレ姿に・・・・・なっていなかった。
「あれ?」
シュリは「?」な表情になっていた。
確かにハイグレ人間になった実感があったのだが・・・

「三原さんになにをしたの?」

「そうね・・・正確には三原には何もしてないわ・・」
「ソウデス!ベルトニ細工シタンデス」

「ベルトに!?」

「そう・・・そのベルトを改変したのよ!それはもうハイグレ仮面デルタのべると!
 さあ!デルタのベルト!三原をハイグレ仮面に変身させるのよ!」



「きゃあああああああああ!!!何!?」
またシュリが赤い光に包まれた

光が収まると、そこにはオーガのようなハイグレを身にまとったデルタがいた。

「三原ぁ?あなたは何者?」

「私は・・・私はハイグレ仮面デルタ・・魔王様の下僕・・ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」


「そんな・・・三原さん」

「次ハアナタデスヨ?カイザサン?」

カイザはとうとう3人に囲まれてしまった。






っとここだな・・」
ディケイド、ディエンドは合流し魔王の居城の玉座の間の扉の前に到着した。

「士・・・開けるよ?」

「ああ」

2人は扉を開けようとした。

「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」

中からハイグレが聞こえてくる。

「まさか!?」

ディケイドは扉を開けた。

そこには・・・・


「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」

そこには4人のハイグレ仮面がいた。

そのうち2人をディケイドは見たことがあった。

「くっ・・・遅かったか・・」

「でもファイズ君がいないね・・先に行ったのかな?」

「らしいな・・俺は先に行く、海東あとはまかせた」

「士・・簡単に言うね」
ディエンドは一歩前に出て戦闘態勢に入った。

「っとその前に!」

ドンッ!!

ディケイドはディエンドの腹にパンチを喰らわせた!

「くっ・・・何を?」
ディエンドの懐からブレスレットが落ちた。

「やっぱり・・持っていたか コソ泥め」

「そ・・それはこの世界の・・僕のお宝!」
ディケイドはそのブレスレットを拾うと奥の階段を上っていった。

「ちょ・・・士酷いな〜」


「黙って見てれば・・あなたたち何かな〜」
4人のハイグレ仮面はディエンドを睨めつけた。

「4対1なんてフェアじゃないね・・こうなったら」

KAMEN RIDE・・・カイザ!ギャレン!キックホッパー!イクサ!

「うん!これならイケるね」
そういうとディエンドは柱によりかかり、最強(?)のライダー達とハイグレ仮面との戦いを観戦し始めた。





「ここは・・・」
イツキ・・ファイズは魔王の居城の最上階の魔王像の前にいた。

「出てきなさい!魔王!いるんでしょ!?」

「オーホッホッホッホ・・来たわね」

魔王がどこからともなく現れた。

「出たわね魔王!覚悟!!」
ファイズは飛び上がり、キックを放った。

「おっと!危ないわねあなた!」
魔王はキックを避け、手から電撃を放った。

「ちょ・・インチキ!」
電撃がファイズをかすめた。

「だってワタシ魔王ですもの」

「伊達に魔王と言われてないわね・・じゃあ!!」
ファイズはお得意の必殺キックの体勢に入った

「たあああ!!」

エクシードチャージ!

「うりゃあああああああ!!」

「何!?でも!効かないのよね!!」
魔王は片手で受け止めた。

「そ・・・そんな!?」

「ふん!!」
魔王はファイズの足をつかむと魔王像の足元に投げた。

「くっ・・」

「さて・・・とどめよ」
魔王がファイズに歩みよる。

「どうして?」

「え?何かしら?」

「どうして・・こんな侵略を?」

「そうね・・・アナタたち愚かな人間をみんなアタシの下僕にできるのよ?素敵じゃなくて?」

「そんな・・そんなことさせない!」
ファイズは立ちあがり魔王に立ち向かった。





「その女の言う通りだ!」





そこへ魔王でもファイズでもない声が響く。
「何者!?」

そこにはディケイドがいたのだ。

「ああ・・確かに人間は愚かさ・・転んで怪我してみないとわかんないものなのさ!
 なのに・・お前に道案内してもらう必要はない!!ファイズ!まだ戦えるだろ!?」

「・・。もちろん!」

「これを受け取れ」
ディケイドは先ほどのブレスレットをファイズに渡した。

「これは・・・無くしていたアクセルブレス!」
ファイズはブレスをはめた。

「じゃあこっちも・・・」

KAMEN RIDE ファイズ! FORM RIDE ファイズ アクセル!

ディケイドはアクション仮面ファイズによく似た姿に変身した。
「イツキ・・行くぞ!!」
「ええ!!」

STRAT UP!

ファイズ、それにディケイドは超高速で魔王に近付いていった。

「な・・なによ!?あんた!?」

「通りすがりの仮面ライダーだ!よく覚えておけ!!」
魔王に一発、また一発・・・・
2人の大量の攻撃が魔王にヒットした。

「こ・・・こんなこと・・」

「イツキ決めるぞ!」
「あんたこそ遅れるんじゃないよ!?」

エクシーチャージ
FAINAL ATTACK RIDE ファ・ファ・ファ・ファイズ

魔王の周りに大量のファイズのキックのポインターが現れた

「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」
「はああああああああああああ!!!!!」

そのすべては魔王に命中した。
「ぎゃああああああああああああ!!!!!!」

3...2...1...
Time out.
Reformation

アクション仮面ファイズはアクセルモードが解除され、
ディケイドは元のディケイドの姿に戻った。
魔王は全身傷だらけになりながらもその場に立っていた。

「しぶといわね魔王!」

「く・・・もういいわ・・あきらめてこの星から出て行くわ・・」

「ハイグレ魔王・・」
これでこの世界ももとに戻る! イツキはそんな表情でいった。




「・・・・とでも言うかと思ったら大間違いよ!!!」


「ちぇ!男らしくないぞ!ハイグレ魔王!」

「男らしくなくて結構!アタシはオ・カ・マ!」
そういうとハイグレ魔王の体が変異し始めた。
その姿はもう人型ととどめておらず、獣のようであった。

「けっ!往生際の悪い奴め!」
ディケイドは1枚のカードを取り出した。
そしてそのカードを発動させた。

FAINAL FORM RIDE アクション! ファ・ファ・ファ・ファイズ!

「ちょっとくすぐったいぞ?」

「え?ちょっと何?」
ディケイドがファイズに手をかざすと・・・・
なんとファイズが変形していったのだ。
そして巨大な銃へと変形を完了した。

「これでとどめだああああ!!」
FAINAL ATTACK RIDE アクション ファ・ファ・ファ・ファイズ!

ファイズが変形した巨大銃から赤いレーザーが発射され、まっすぐに魔王に命中した。

「そ・・・・そんな・・・こんなことって・・・」


ド〜〜〜〜〜ン!!!!!!!!

魔王を中心に爆風が巻き起こる。

ディケイドはファイズを放り投げた。

投げられたファイズは空中でもとの姿に戻り、着地した。


爆風がはれると・・・・
そこに魔王はいなかった。


「これで・・・この世界は・・あ・ありがとう、ディケイド」
「礼なんていらねーよ・・」

そこへ下で戦っていたはずのディエンドが来た。
「さすが士、魔王を倒したんだね」

するとディケイド達の近くに壁のようなものが現れた。
「どうやら俺たちの役目は終わったようだな。次の世界が待っているようだ。おい!いくぞ海東!」
「ちょっと待ってくれ!まだこの世界のお宝 アクションストーンを見てないよ!」
ディケイドはディエンドの手を引くとその壁に入って行き、その壁も消滅した。

「・・・・結局なんだったの?あいつら」
イツキは不思議そうな顔をしていた。

「でも・・・ようやく魔王を倒したのね」
イツキは最大級の達成感を得るのであった。





しかし・・・








「十分喜んだかしら?」
「え?」
魔王の声が聞こえる。
「なんで!?倒したはず!!」

「そう・・倒したのはアタシの蜃気楼よ?」
「そんな・・嘘よ!」

「嘘じゃないわよ?」
魔王が実際に目の前に現れた。

「そ・・・そんな・・」
イツキの表情は一気に絶望の表情になった。

「さて、あの邪魔者もいなくなったことですし・・」
魔王が近付き、ファイズの頭部を掴み持ち上げた。

「最後の獣だけ蜃気楼だったのよ?このアタシに傷をつけた罪・・・絶対にゆるさないわ」
「グ・・・あ・・」

「たたでハイグレ人間にはしてやらないわ・・まずは・・」
魔王はファイズのベルトを掴み
「このベルト・・こんなまがい物のアクションストーン・・忌々しい!砕けよ!」

バリーン!!

魔王は動力源のアクションストーンごとベルトを砕いた。
当然ファイズの変身は解けイツキは生身の人間に戻った。

「ふん!」
魔王はイツキは地面に落した。

「もう・・手加減しないわよ?」
魔王の手が赤くなり
「はぁぁ!!」
空へと光線を発射した。

「・・・何をしたの?」

「この魔王の居城の後ろに軌道エレベータが見えるでしょ?」
魔王は軌道エレベータを指差した。それは魔王が来る前から建設が始まっていたものだった。
「実はコレ・・アタシが完成させてあげたのよ?しかも一番上には、
 ハイグレ粒子散布装置をつけてね?」

「粒子・・散布装置!?」

「そう・・ハイグレ光線なんかよりずっと強力な粒子よ?
 それは地球中にまく装置よ?もう起動させたからもう残りの地球人もみんなハイグレ人間よ?」

「なんで?私一人ハイグレ人間にするんじゃないの?」

「もちろんアナタも洗脳するわ。ただ!」
魔王はまた手から光線を放った。
それはイツキを十字に拘束するものだった。

「ただね・・あなたはなにも抵抗できずにハイグレ人間になるのよ!?」

「クソ・・外道!!」

「あら?言ってくれるわね・・おっと見えるかしら?あれが」
異様な光景であった。赤い雪が降っているようだった。

「あれが・・」
「そうハイグレ粒子・・心配しなくてももうすぐここにもくるわ」


もうすぐそこまで粒子がきていた。
「あ・・・」
遂にイツキに粒子が浸食してきた。

「あ・・・いや・・」

服が透けてきた

「ここまで来て・・こんな」

透けた服の下にハイグレが実体化してきた。

「負けるなんて・・ハイグレになるなんて」

そして遂に服が消え去り、イツキは赤いハイグレ人間になってしまった。

「フフ・・お嬢さんどうかしら?ハイグレは?」

「違う・・私はハイグレになんて負けない!」

「もう、強情ね?」

しかしイツキはムズムズしだした。

「でも・・どうしたの?ハイグレしたいの?」

「ち・・違う!!」

「そう?この声が聞こえる?」

「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」
居城の下からハイグレコールが聞こえる。それはハイグレ人間の勝利の大歓声だった。

「く・・・」
もう・・だめ・・
私は・・・ハイグレ人間なの?
そう・・私は・・ハイグレ人間イツキ!
ああ!ハイグレしたい!
「お願い・・」

「あら?なにかしら?」

「お願いします!ハイグレさせてください!」

「そうよね?拘束されてりゃハイグレできないわね?」

「はい!お願いします!この拘束を・・」

「解かないわよ?」

「え?」

「これは罰よ・・あと1日その拘束は解けないわよ」

「そ・・・そんな・・ごめんなさい!魔王様に逆らったりして!お体を傷つけてしまって!」

「あら?謝ってもムダ。その拘束は絶対に解けないわ」

「いや!ハイグレしたい!ハイグレしたい!ハイグレしたい!!」



「オ〜〜〜〜ホッホッホッホ!せいぜい苦しみなさい!」









「さて・・・散布装置AI?地球全土ハイグレ化完了したかしら?」
魔王はインカムで散布装置のAIに話しかけた。

「計算中・・・計算中・・」

「ふふふ・・・これでこの地球はアタシのもの!」

「計算完了・・・未洗脳者1」

「な・・・なんですって!!?どこにいるのよそんなやつ!?」

「・・魔王様の真下・・」
AIは計算結果を魔王に伝えた。

「いったいなんなのよ!!!」
魔王は居城の絶壁から真下を覗いた。

「なに?あれ?」
真下から光の弾が近付いてくる。

その光は魔王を通り過ぎ魔王の後ろに着地した。
光が収まるとそこには・・・・


「カズノちゃん!?」
イツキはその娘を知っていた。

「イツキ?知り合い?」

「ハイ・・そうか!その娘、オリジナルを持ってます!だから・・」

「そう・・オリジナルをねぇ・・」

「カズノちゃん!はやくオリジナルを魔王様に渡してアナタもハイグレ人間になるのよ!?」


「イツミお姉ちゃん・・」
カズノは悲しそうな顔でイツキを見た。

「魔王さん!私はあなたを倒します!!」

そういうとカズノの体からオリジナルが排出された。
そしてオリジナルは1枚のカードになった。それはNO.99のアクションカードであった。

「そ・・それで何しようってのよ!?」
カズノの真っ直ぐな目に少し怯んだ。

カズノの手には見たことのないベルトを持っていた。
それはアクション戦士でもハイグレ仮面でもディケイドのものとも違っていた。

カズノはそのベルトにアクションカードを挿入し腰に巻いた。
「変身!!」
そう言うとバックルのレバーを引いた。


ターンアップ!!


バックルに見えていたアクションカードがひっくり返り、アクション仮面の象徴である「A」の文字が浮かび上がる。

「変身した!?」
魔王もイツキも驚いた。
その姿はファイズやサイガとも違っていた。
ファイズ等は機械的な外見だったが、カズノが変身したそれの外見は甲冑のようで剣を持っていた。





「聞こえるか?カズノちゃん?」
カズノの頭に誰かが話しかける
「誰?」
「私はこのアクションストーンに眠るアクション仮面1号」
「アクション仮面・・1号さん?」
「戦闘は私がサポートする」
「わかりました。それとこの姿は?」
「この姿は・・新たなアクション戦士!アクション仮面ブレイド!」




「・・行きます!!」
ブレイドは剣を構えて魔王に挑む。





最終回「GOD SPEED LOVE」





「はああ!!」
ブレイドは剣を振り下ろした。
「甘い!」
しかし魔王は避ける。すかさず電撃を放つ。

「危ない!カズノ!メタルのカードを!」
1号がカズノに呼び掛ける。

カズノは剣についているカードホルダーからメタルのカードを取り出しリーダーに差し込んだ。

ピロピロリン! メタル

メタルのカード
それはブレイドの防御力を引き上げるものだった。
そこへ魔王の電撃が命中する。

「そんな電撃効きません!」
ブレイドへのダメージはほとんど無いようだ。
「今度は・・こっちの番です!」
ブレイドは同じように今度はキックのカードを使用した。

「はああああ!ハッ!!」
それはファイズの必殺キックのような飛び蹴りだった。

しかし魔王はその場からフワッと消えた。
ブレイドは半透明の魔王をすり抜けた。

「残念、蜃気楼よ?もう容赦しないわ!」
魔王は消えたまま広範囲に電撃は放った。


「ひ〜〜〜〜!魔王様〜〜私!私忘れてません!?カズノちゃんもさっさと降参するのよ!」
イツキが何か言っている。
しかしブレイドも魔王もその声は聞こえてなかった。



「カズノ!ホンタイを狙え!魔王の本体は・・・雷の中心だ!」
「はい!」
今度はキック、サンダー、マッハの三枚のカードを一気に使用した!

「これで終わってええええええええええ!!」
ブレイドは高く飛び上がり雷の中心に向かって電撃を帯びたキックをはなった。
「はあああああ!!ウェエエエエエエエエエイ!!!!」

ドーン!!

手ごたえはあった。
すぐに魔王が実体化した。


「そんなこんな娘にやられるなんて・・・」
魔王はその場に倒れた。


「やったの?」
「まだだカズノちゃん・・奴は・・・不死生命体なんだ。完全に倒すことはできない」
「じゃあどうすれば?」
「ブランクのカードを使え」
そう言われるとベルトから1枚のカードが出てきた。
そのカードは今までのカードと違い何も書かれていなかった。
「それを魔王に投げるんだ!」
「はい!」
ブレイドはブランクカードを魔王に向かって投げた。

魔王の上でカードは制止し、魔王の体がカードに吸い込まれた。
そして魔王を封印したカードはブレイドの手元に戻った。
そこには魔王が描かれていた。
「やった・・・これで決まりね!」
カズノは笑顔でイツキの方を見た。




おかしい・・
魔王を封印したのに・・
イツキお姉ちゃんもみんなも元に戻らない・・・




「カズノ!!よくも魔王様を!!でもあたし達ハイグレ人間は負けないわ!必ず魔王様を解放するわ!」

「そんな・・元に戻らないなんて・・」

「やはりな・・・カズノ。散布装置とやらに行くぞ?」
「どうするっていうの?」
「散布装置で私のエネルギーを地球中にまく!君をハイグレ粒子から守ったんだ。洗脳解除もできるはずだ・・」
「わかりました!」

カズノはイツキを無視して起動エレベーターに乗り、最上階の散布装置を目指した。







エレベーターは最上階にに到着した。
「着きましたね。コントロールルームはどこ?」
「ん!?気をつけろカズノ!誰かいるぞ!?」
「え?誰かいるの?」



「ばれちゃったらしょうがないですね〜?」


1人のハイグレ人間が現れた。
「あなた誰?」

「はじめましてアクション仮面ブレイドさん。私はハイグレディ・・魔王様の側近よ?」
「側近?」

「でも・・魔王さん死んじゃったし・・これで心おきなく行動できるわ!」
そういうとハイグレディはUSBメモリのようなものを取り出した。

「!?」

「やっぱりこの世界じゃガイアメモリはあんまり流通してないみたいね」

\コーカサス!/

ガイアメモリと呼ばれるモノからそんな音が鳴り、ハイグレディはそれはを首元にさした。
するとハイグレディの体が硬い昆虫のような鎧をまとった姿になった。
その姿は金色で頭にはカブトムシのような角が生えていた。
さらに大きな盾と剣まで装備していた。

「どうやら・・・そううまくはいかないようだな。カズノ」
「う・・うん。なにアイツ?」
カズノは恐怖すら感じた。


「さて行きますよ?ブレイドさん?」
コーカサスが近付いてくる。

「こうなったら!先手必勝!」
カズノはさっき魔王を倒した技をはなった!

「効きません・・・」
コーカサスはその巨大な盾で防御した。
「攻撃とは・・こう行うものです!!」
コーカサスは剣でブレイドをなぎ払った!


「きゃああ!!」
ブレイドは壁にめり込んだ。
「大丈夫か!?カズノ・・なんてパワーだ」


「私実はハイグレ人間でもなんでもないんですよ?」
コーカサスがそう言いだした。
「魔王さんが地球を制圧したら魔王さんを殺して私が王になるつもりだったんですよ?」
コーカサスはブレイドのうでを掴み、違う方へ投げた。

「予定通り地球はハイグレ化したし、魔王さんもあなた達が倒してくれた」
コーカサスは今度はブレイドを踏み出した。
「あとは・・あなたを始末するだけ。ちょっと死んでみてくれません?」
足にさらに力が入る。
「う・・・きゃああ!!」
「アナタはハイグレ人間にはしないわ。だってあれ気持ち悪いんですもの。
 私が王になったらこの散布装置でアタシ好みに変える予定だし」
そのままブレイドを蹴り飛ばした。
「ふふふ・・・ア〜ハッハッハッハッハ!!!!」
コーカサスは高笑いした。





聞こえるかしら!?アクション仮面!カズノ!


「!?」
カズノと1号に何者かが話しかける。この声は・・・
「ハイグレ魔王!?」

「どうやら聞こえるようね・・・アタシの声が」

「おまえ・・封印されても意志があるのか?」

「あらアクション仮面?あなたも石に封印されてるみたいなもんでしょ?」

「確かにそうだが・・・それでなんのようだ?」

「アタシのカードを使いなさい!」

「なんだって!」

「アイツよ!あのアマ!!アタシを騙すなんて許さない!」

「そんなこといってカズノの体を乗っ取るつもりか!」

「・・・信じなさいアクション仮面。男と男の約束よ・・」

「ハイグレ魔王・・そうだな!どうせこのまま死ぬくらいなら小さな可能性に賭けるのも悪くない。カズノ聞こえたな!」

「ハイ!」

「融合のカードと魔王のカードを使え!」

「まかせたわよ?カズノ?」

「ハイ!!」





ブレイドは立ちあがり、手には融合のカードと魔王のカードが握られていた。

「なに?まさか魔王さんと合体するの?ククク・・きっとあなたハイグレ人間になっちゃうわよ?
 自滅ね?拍子抜けだわ」

ブレイドは無言でカードをスラッシュした。


エヴォリューション キング!

電子音がなるとまばゆい光がブレイドを包む。
その光のなかでまずカズノは全裸になった。
そこへ赤のハイグレが装着された。
「うっ・・」
すごい締め付けだった。

その様子をコーカサスは見ていた
「やっぱりハイグレ人間になるのね?これは傑作だわ」

次にハイグレの上にブレイドのベルトが装着された。
そしてそれに続くように・・・全身に金の鎧が装着され、魔王と同じ赤いマントも生成された。

「!?いや違う!?これは!?」
コーカサスは数歩下がった。

光が一気に眩しくなったとおもったら、光は消えそこには1人の戦士が立っていた。


「これが・・・魔王さんの力?」
「感じる?アクション仮面?カズノ?」
「ああ・・これが・・アクション仮面ブレイド ハイグレキングフォーム!」



「そ・・そんな!そんなことって!?」
コーカサスは驚きの表情だった。

「行きますよ?アクション仮面さん!魔王さん!」
「ええ!よくってよ!」
「行け!カズノ!」
「はああああああああ!!!」
カズノは手持ちの剣に全パワーを集中させた。
「ロイヤルフラーーーーーッシュ!!!!」

「ひいい!!」
コーカサスはすかさず盾で防御した。しかしそのパワーはとても塞ぎ切れるものではなかった。
「そんな・・・ぐぎゃああああああああああああああ!!!!!」

カズノの一撃は盾ごとコーカサスをまっぷたつにした。
コーカサスは炎に包まれ、灰になり消滅した。



「ふう・・・やった!」
「コントロールルームはあっちよ?」
魔王が呼びかける。

「ハイグレ魔王?」

「今回もアタシの負けね?ねぇ前闘った時のこと覚えてる?」

「ああ・・・」

「あの時アタシ言ったわよね? アンタみたいな強い奴がいない時にくるって」

「・・・」

「でもあたしは正直アンタに会いたかったのよ。
 傷を癒してる時も侵攻の準備をしてる時もアンタのことを考えててわ」

「ハイグレ魔王・・」

「なのにアンタはアクションストーンになっちゃてうし・・・つまんなかったわ。
 でもまさかアンタと一緒に戦うなんて思ってもみなかったわ」

カズノは魔王とアクション仮面の会話を聞きながらコントロールルームに辿り着いた。

「っと着いたみたいね?それじゃあまたお別れねアクション仮面。
 カズノ、アタシのカードをそこのスロットに入れなさい。」

「魔王さん・・・うん・・ありがとう」
カズノは融合をといてに普通のブレイドに戻り、指定されたスロットに魔王のカードを入れた。


コントロールルームのパネルには「魔王認証完了 システム変更可能」という文字が書かれていた。


「ねぇ・・アクション仮面さん?もしかして魔王さん・・」

「ああ・・敵でなければ・・友になっていたかもしれんな」

「え!?ちょっとアクション仮面さんって鈍感なんですね!?」

「??何のことだ?」

「もう!恋する乙女を舐めちゃダメですよ?」

「???? それより私のカードもスロットへ。システムの書き換えと起動は私がする」

「はい・・・お別れなんですね?」

「ああ、短い間だったが一緒に戦えてよかった」

「さようなら・・・・」

カズノは変身を解き、カードをスロットへ入れた。

パネルには「洗脳解除粒子散布開始」の文字が浮かび上がっていた。

散布装置からは洗脳を解除する粒子が地球中にまかれ、地球は元の平和な世界に戻った。



「これでみんなとまた平和にくらせる・・」
カズノは笑った。そして世界中の人も笑ったという・・・





END!
Ito-n
2010年09月18日(土) 07時01分02秒 公開
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■作者からのメッセージ
今度はちょっと長編にチャレンジしてみますよ
設定は・・・まんまライダーですが(笑)

終わった。長かった